2014.03.10

【女子ワールドカップ展望(1)】…3人の現役世界チャンピオンを擁して挑む日本

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 2014年女子ワールドカップは3月15日(土)~16日(日)、東京都板橋区の小豆沢(あずさわ)体育館で行われる。参加国は、昨年の世界選手権の国別対抗得点の上位8ヶ国で、日本、モンゴル、米国、中国、ウクライナ、ロシア、カナダ、ハンガリー。

 地元の日本は3人の世界チャンピオンを含めたベストメンバーで臨み、2年ぶりの優勝を目指す。過去6度優勝の中国は、昨年の世界チャンピオン2人を擁し2年連続の優勝が目標。躍進著しいモンゴルは昨年、ワールドカップ、世界選手権の国別対抗得点ともに2位。今大会でその雪辱を果たし、9月の世界選手権での国別対抗得点の初優勝へ向けて弾みをつけたいところ。

 米国、カナダも昨年の世界選手権代表が顔をそろえるベストメンバーが参加。ロシアもオリンピック・チャンピオンを含めた選手が参加する予定で、いずれも上位進出、さらには優勝を目指す。

 各国の戦力を分析し、勝負の行方を予想した。


 《試合日程》(組み合わせは14日の監督会議で決定)

3月15日(土) 午前10時~12時 各ブロック予選1回戦
午後2時30分~3時 開会式
午後3時~5時 各ブロック予選2回戦
午後5時~7時 各ブロック予選3回戦
3月16日(日) 午前10時~11時 7・8位決定戦
午前11時~12時 5・6位決定戦
午後2時~3時 3位決定戦
午後3時~4時 決  勝
午後4時~4時30分 表彰式

 【日本】

 《日本代表選手》
▼48kg級 登坂絵莉(至学館大)、入江ゆき(九州共立大)
▼53kg級 吉田沙保里(ALSOK)、入江ななみ(九州共立大)
▼55kg級 浜田千穂(日体大)、村田夏南子(日大)
▼58kg級 伊調馨(ALSOK)、川井梨紗子(至学館大)
▼60kg級 坂上嘉津季(至学館大)、佐藤喜歌(自衛隊)
▼63kg級 渡利璃穏(至学館大)、伊藤友莉香(自衛隊)
▼69kg級 土性沙羅(至学館大)、工藤佳代子(自衛隊)
▼75kg級 浜口京子(ジャパンビバレッジ)、新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)

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48kg級・登坂絵莉(至学館大)、53kg級・吉田沙保里(ALSOK)、58kg級・伊調馨(ALSOK)の昨年の世界チャンピオン3選手が出場。ここで確実に3勝をマークしたいところ。

 階級区分が変わっても登坂の闘う48kg級は残った。しかし、51kg級から階級ダウンする選手がいるので、新たな階級と考えねばなるまい。今大会では、2012年世界選手権51kg級優勝のジェシカ・マクドナルド(カナダ)、昨年の世界選手権51kg級優勝のスン・ヤナン(孫亜楠=中国)がこの階級へ参戦する。48kg級世界一の実力は、51kg級の強豪相手に通じるか?

 吉田も53kg級という未知の世界への挑戦となる。階級を下げた選手が共通して口にするのは、「的が小さくなった」。51kg級から上げてくる選手もいて、これまで以上に小柄な相手との闘いとなる。新たなビクトリー・ロードのスタートとできるか。

 伊調は昨年の全日本選手権59kg級、今年1月のヤリギン国際大会(ロシア)で58kg級に出場(ともに優勝)。階級ダウンは経験済みという強みがある。世界の強豪相手に、どこまで通じるか。

 この3階級以外で実績を持つのは、69kg級に出場する昨年の世界選手権67kg級3位の土性沙羅(至学館大)と、75kg級に出場するロンドン・オリンピック72kg級代表の浜口京子(ジャパンビバレッジ)。

 ともに、これまでの階級より重い階級への出場。69kg級にはロンドン・オリンピック72kg級優勝のナタリア・ボロベワ(ロシア)、75kg級には昨年の世界選手権72kg級優勝のチャン・フェンリウ(張風柳=中国)がエントリーしており、簡単には勝たせてもらえまいが、それ乗り越えて白星を挙げてほしいところ。

 昨年大会の55kg級代表の浜田千穂(日体大)、63kg級でゴールデンGP決勝大会優勝の経験がある渡利璃穏(至学館大)らの奮戦も日本の勝利には必要なこと。

 二番手と目される選手にも世界で実績のある選手がいるので、選手を交互に起用しながらの闘いが予想される。地元の利を生かし、2年ぶりの優勝を目指す。