2014.03.06

【全自衛隊大会・特集】夫婦で取った銅メダル…小原康司さん(海自連合)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

全自衛隊大会では、ロンドン・オリンピックでの小原日登美さんの金メダル獲得を陰で支えた夫・小原康司さん(海自連合)が84kg級に出場。準決勝で昨年の全日本選手権にも出場した現役バリバリの江藤紀友さん(練馬駐屯地)に敗れながらも、続く3位決定戦で勝って銅メダルを獲得。マットサイドかはら日登美さんが応援しており、ロンドン以来の夫婦での“タッグチーム”でメダルを手にした。

 「ホッとしました。」と第一声。2年前のこの大会は2位。昨年は夫婦でイベント出演などに忙殺されて出場しておらず、今回は2年前のリベンジ戦。優勝が目標だった。全日本選手権に出場する選手が相手には荷が重かったが、それでも豪快な3点タックル(旧ルールで実施)を決めるなど意地を見せた。

 「最初は試合時間も2分3ピリオドだと聞いていまして、そのつもりで練習してきました」とのこと。2分までは何とか動けたが、その後の1分間は体が動かなかったようだ。それでも「楽しかった。(前日の)団体戦でも3位に入れたし、(レスリング班の)OBでレスリングを盛り上げていきたい」と満足そう。

オリンピック金メダリストの妻から応援されて競技ができる夫は、日本では数えるほどしかいない。「楽しんでくれたみたいで、よかったです」と応援に感謝しつつ、「おいの豪太が『こうじの応援に行く』って言って来てくれましてね。じかに試合を見せられてよかったです」と、日登美さんと一緒に応援してくれた将来の金メダリスト(!)へも感謝した。

 この大会に女子の試合は実施されていないが、全日本マスターズ選手権でも女子が実施され、初心者が出る時代なのだから、屈強な女子隊員を中心とした女子の部があってもおかしくはない。その場合は「夫婦で出場、夫婦で金メダル」が目標となろうが、「いや、妻のサポートはもういいです」-。ロンドンで完全燃焼したことを強調した。

 日登美さんは「楽しかった。全日本選手権とかなら笑顔で応援することはできませんが、ほのぼのとした雰囲気の中での試合はいいですね」と言う。「ロンドンで受けたサポートを、返せましたか?」という問いに、「まだ返し切っていません。来年以降も出てもらいます」。ロンドンでもらったエネルギーを返し終わるまで、康司さんは“現役選手”を続けなければなるまい。