2014.02.03

男子フリースタイルの全日本チームがイランへ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

男子フリースタイルの全日本チームが2月2日、成田空港発のトルコ航空でイランへ向けて出発した。イスタンブール経由でテヘランに入り、6日(木)~7日(金)に行われる「タクティ・カップ」に出場したあと、現地でイラン・チームと合同合宿。12日にイスタンブールへ移動し、15日(土)~16日(日)に同地で行われる「ヤシャ・ドク国際大会」に出場し、18日に帰国する。

 小平清貴監督(警視庁)は「レベルの高い国に行け、大会出場のみならず合宿という機会も得ることができた。多くのことを吸収して来たい。レスリング王国での練習は大きなステップになると思う」と期待。試合~合宿~試合という日程であるため、「大会での反省点を合宿で見直し、トルコの試合で生かせるようにしたい」と、合宿をはさんだ遠征を最大限に生かす腹積もり。

 一足先にイランで合宿をやっているグレコローマン・チームからの報告では、合宿の場所は周囲に何もなく、レスリング漬けの生活になるとのこと。「徹底的にレスリングができる。酒も飲めないし(イランは法律で飲酒が禁止されている)、やることはレスリングだけ。イランのやり方を徹底的に学んで来たい」と話した。

 井上謙二コーチ(自衛隊)は「イランは軽量級から重量級までコンスタントに強いので、体力や技術を見てきたい。自分達のレスリングを出し切り、手ごたえを感じ、相手のよさを見つけるとともに、自分達のよさも見つけてほしい。」と注文した。

■全日本の新人2選手も緊張の初参加

 グレコローマンでの台頭が目覚ましいイランだが、フリースタイルは伝統があり、昨年の世界選手権でも55、96kg級の2階級で優勝している。55kg級で優勝したハッサン・ラヒミとの手合わせが予想される森下史崇(日体大)にとっては、世界王者への挑戦とともに、57kg級への挑戦のスタートともなる。

「階級もルールも変わり、自分の実力を試してみたい。世界王者と練習してみたい。今まで外国選手と練習する機会がなかったので、試合出場よりも楽しみ。どんな練習をしているかを見て、体験してきたい」と新たな気持ちでの挑戦の弁を話した。

 全日本チームの遠征に初参加となるのは2人。61kg級の川瀬克祥(日体大)は「少し緊張しています。試合だけでなく、練習でいろんな選手と闘えることが楽しみです。イランは技が多彩で組み手が固いというイメージを持っています。どう崩せるかを研究してきたい・いろんなことを吸収し、今後の試合に生かせるようにしたい」と初参加の抱負。

 65kg級の高谷大地(拓大)は「ありきたりの言い方ですが、期待と不安でいっぱいです。(闘う)どの選手も米満(達弘)先輩より下なわけで、それらの選手に勝たなければ先が見えてこない」と言う一方、「今回は勝ちにこだわるより、自分に何が足りないか、外国の選手はどこが強くて、どこが弱点かを肌で感じてきたい」とも言う。

 昨年の11月までは60kg級でやっていた選手。66kg級での体づくりもスタートしたばかりだが、周囲や練習した相手から「体が大きくなったね」「パワーがついたね」などと言われるそうで、その成果の端緒を外国選手相手に試したいところ。「兄(惣亮=74kg級)と一緒なので心強い」と、兄弟での相乗効果で実力アップを目指す。 


 ◎男子フリースタイル・イラン遠征メンバー

 【監 督】小平清貴(警視庁
 【コーチ】井上謙二(自衛隊)=イランのみ、松永共広(日本協会専任コーチ)=トルコのみ

 【トレーナー】川崎淳(ハンズコーポレーション)
 【帯同審判】小池邦徳(奈良・天理教校学園高教)=イラン、沖山功(香川・香川中央高教)=トルコ

 【選手】
▼57kg級 森下史崇(日体大)、高橋侑希(山梨学院大)
▼61kg級 高塚紀行(自衛隊)、川瀬克祥(日体大)
▼65kg級 石田智嗣(警視庁)、高谷大地(拓大)
▼74kg級 高谷惣亮(ALSOK)
▼96kg級 山口剛(ブシロード)
▼125kg級 荒木田進謙(警視庁)