※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ヤリギン国際大会を終えて帰国した田南部力監督
メダルなしという厳しい現実に直面したが、田南部力監督(警視庁)は「新強化委員長のもとでの初の遠征。やっていくべきことが明確に分かった。それを探るための遠征だった。あとは駆け上がるだけ」と前を向いた。
ひと足先に帰国した女子は、序盤に外国選手のパワーに押されてもスタミナでばん回して勝つパワーンが目についたということだが、外国の男子選手は試合慣れしているというか、ばてている中にも要所で力を入れてくるという。一筋縄でいかない選手が多く、むしろ「後半に勝負をかけてくるタイプの方が多いような気がした」とのこと。
3分2ピリオドのトータルポイント制になったことで、「世界のレスリングがこうしたスタイルになっていくと思う」と予想。そうなると、日本選手の勝ちパターンと言われた「前半をしのいで後半に勝負」が通じなくなるわけで、世界の流れに合わせた強化の必要性を訴えた。
オリンピックのあと休養していた強豪選手も戻ってきて、これまで以上に厳しい闘いを強いられることになるが、「いくらロシアが強いと言っても、(世界選手権やオリンピックに)出てくるのは1人」と、必要以上に敵を恐れないことを口にし、「やっていくしかない。勝たなければ金メダルはない」と結んだ。