2014.01.21

伊調馨(ALSOK)ら女子選抜チームがロシアへ向けて出発

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

1月24~26日にロシア・クラスノヤルスクで行われる「ヤリギン国際大会」に出場する女子選抜チームが1月20日、成田空港発のアエロフロート航空で、モスクワ経由で現地へ向けて出発した(男子選抜チームは北京経由で現地へ)。

 木名瀬重夫監督(日本協会専任コーチ)は「新階級ということが大きなポイントになる。選手は『新しい階級はどんなものだろう』という不安があると思う」と、初物に挑む選手の気持ちを気遣った。

 しかし、「不安や恐怖というのは、どんな時でもあるもの。その中で、どうやって攻めることができるかの練習をしてほしい。マット上でやることは一緒。強化目的の遠征なので、自分の技術を出し切ることを考えてほしい。試して失敗したものは仕方ない。何もせずに悔いを残して帰ることはやめてほしい」と要望した。

 女子の遠征には初めての同行となる山本英典コーチ(自衛隊)は「新階級となり、外国選手も入れ替わりがあると思う。選手は自分がどのくらいの位置にいるのかを知り、今後につなげてほしい。リオデジャネイロ・オリンピックへ向けていい遠征にしてほしい」と話した。

 投げ技が4点になり、テクニカルフォールが10点差となるなど新ルール下での闘いも初めてとなる。木名瀬監督は「7点差の時にくらべると、(リードされた時に)少し落ち着いてできるのかな、という気はしますね。経験でしか克服できない」と、山本コーチは「いくら頭の中で理解していても、試合をこなさなければ体が反応しない。しばらくの間、7点差をつけてホッとしてしまう選手もいると思う。数多くの試合をこなして慣れてほしい」と話し、ともに多くの試合をこなすことによって新ルールをマスターすることを望んだ。

■ヤリギン国際大会には3度目の出場の伊調馨

 全日本チャンピオンとして唯一参加するオリンピック3連覇の伊調馨(ALSOK)は「いつも通り、練習してくるという感じで、何らかの収穫を持って帰りたい」と、強化の一環であることを強調。クラスノヤルスクは氷点下20度を下回る時もある極寒の地。それでも行くのは、「勝ち負けではなく、自分のレスリングを追求するため。そのためには数多くの試合に臨みたい。そうすれば、もっと強くなれると思うから」という理由から。

 また、59kg級に出場した12月の全日本選手権の時には、これまでより小さい選手を相手にした闘いに慣れる必要性を感じ、そのためにも参加に踏み切ったようだ。

 もっとも、この大会は2011、12年に続いて3度目の出場であり、冬にロシア遠征をこなすことは伊調の“普通の行動”。実戦によってレスリングの幅を広げ、オリンピック3連覇につなげただけに、今回も同じやり方で“必勝街道”を突き進みたいのだろう。

 派遣メンバーは下記の通り。


 【監督】木名瀬重夫(日本協会専任コーチ)
 【コーチ】山本英典(自衛隊)

 【選手】
▼48kg級 入江ゆき(九州共立大)
▼53kg級 入江ななみ(九州共立大)
▼55kg級 村田夏南子(日大)
▼58kg級 伊調  馨(ALSOK)
▼60kg級 坂上嘉津季(至学館大)
▼63kg級 伊藤友莉香(自衛隊)
▼69kg級 工藤佳代子(自衛隊)