※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
親子で“日本一”に輝く!
■3試合を無失点で勝ち抜く…森下敏清さん
日体大OBの森下さんは、男子フリースタイル55kg級全日本王者の森下史崇選手(日体大)の父。親子で全国中学生選手権(ともに2連覇)、全国高校選抜大会、インターハイ、国体少年、全日本学生選手権(ともに2連覇)、全日本大学選手権で優勝している親子鷹。セコンドには史崇選手がつき優勝を支えた。
昨年もエントリーしたが、出場は1人だけで特別試合をやっただけ。今年は3試合もあり、「きつかったですね。練習してきましたが、3試合やる体力はないですよ」と苦笑いだが、優勝の瞬間はガッツポーズを見せるなど久しぶりの優勝の味を十分に堪能。「無失点でしたし、よかったですね」と最後はにっこり。1日に3試合やったのは、記憶では1986年の山梨国体以来だという。
大喜びの父、けっこうクールだった子(セコンド)
日体大の後輩でもある西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長(拓大教)らから、「来年は夫婦での出場ですか?」と冷やかされると、そばにいた妻・真須美さんをチラリと見て、「本人次第です」-。
さらに、4月から史崇選手が社会人になることで、「全日本社会選手権では、史上初の父・母・子供のそろい踏みもできますよ」との声に、「いや~!」と苦笑い。体重が違うので親子対決は難しそうだが、親子3人出場は可能性がありそう。
■5-0とリードしながら、無念の負傷棄権
2人の息子(セコンド)に見守られて闘う佐々木さん
しかし、この時のローリングで右脚に肉離れのような症状に襲われ、無念の棄権。「恥ずかしい。練習も満足にしていないのだから、けがするのは当りまえですね」と照れ笑いを浮かべた。
セコンドは拓大でならした長男・遼さんと次男の晋さん。遼さんは2009年の全日本大学グレコローマン選手権60kg級のチャンピオン。晋さんも東日本学生新人選手権で2階級制覇を達成。2012年全日本学生選手権グレコローマン60kg級2位などの成績を残して拓大の躍進に貢献した。
負傷の父を心配そうにのぞきこむ遼さんと晋さん
「ここ5、6年マットに上がったことがない」というにもかかわらず試合出場を決めたのは、知人が出場した昨年の大会を観戦し、「出てみたい」と思ったことに始まる。昨年10月に正式に決意して練習を始めたが、首筋を痛めて病院通い。医師からは「やめた方がいい」とアドバイスされたそうだが、「大丈夫だ、と思って出場した」と言う。
けがを除けば、久しぶりのマットは「楽しかった」と言うが、「やっぱり厳しいスポーツですね」と一言。5点をリードしたにもかかわらず優勝につなげられなかったが、「まあ、できただけでも幸せです」とのことで、「できるかな、という気はしました。来年も機会があれば出てみたいです」と、来年のリベンジを宣言。