※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
新チーム初の合宿がスタート。2014年の闘いが始まった
午前6時45分からのランニング(45分)、午前10時からのウエートトレーニング(1時間15分)、午後4時からのマット練習(1時間45分)の3回練習は、全日本コーチ、および選手を送っている所属の監督の総意で決まった練習形式。
ただ、1日の練習時間は3時間45分で、2回練習の時と大差ない。西口茂樹・男子グレコローマン強化委員長(拓大教)は「この時間内にすべてを出し切る効率のいい練習をしてほしい」と、短時間集中練習を注文。それを実行するため、練習中の選手同士、あるいはコーチ同士の会話を一切禁止する方針を示した。
練習中に私語が禁止されるのは当然だが、実際にはスパーリングの合間等に言葉を交わし、緊張を解きほぐすことはよくある。コーチ同士もマットサイドで会話し、お互いの所属選手の情報交換等をするシーンは普通にあったが、今後はマットワーク、ランニング、ウエートトレーニングのすべてで、連絡など必要最小限の会話以外は一切禁止。決められた時間は練習に集中させるという。
西口強化委員長は練習の最後に、「『フリースタイルは金メダル、グレコローマンはメダルが目標』とも言われているが、そんなことはない。『フリースタイルも金メダル、グレコローマンも金メダルが目標』だ。グレコローマンはフリースタイルの下じゃない。リオデジャネイロ・オリンピックでは、グレコローマンも金メダルを取る」と選手を激励した。
練習は11日まで中休みなしで行われ、中日にはストレッチの専門家に来てもらい、疲れの取り方などを本格的に学ぶという。
この日、練習の指揮を執ったのは豊田雅俊コーチ(警視庁)
74kg級で全日本選手権初優勝の藤村義(自衛隊)は、ロンドン・オリンピックの前以来、約1年5ヶ月ぶりの本格的な全日本合宿への参加。復帰を決意した昨年春ごろから何度か通いで全日本合宿に参加していたが、「(整列で)一番前の列に並ぶことで、チャンピオンの気持ちがひしひしと沸いてきた。中途半端な気持ちではいけないという気持ちです。世界を目指す集団に入ることで気持ちも高まる。充実した合宿にしたい」と、久しぶりの雰囲気に気持ちよさそう。
今後、75kg級にするか66kg級に戻すか、あるいは世界選手権などで実施される71kg級にするか等は、まだ決めていないが、「(これまでの)84kg級の選手と互角にやれるだけの体力をつけたい」と言う。
全日本王者として初めての全日本合宿参加となる66kg級王者の音泉秀幸(ALSOK)は「松本(隆太郎)先輩という強敵を破って優勝し、やっとチャンピオンとして全日本合宿に参加できました。(整列の)一番前に立つことで自覚が出てきました。今までがそうでなかったわけではありませんが、気が引き締まります。負けられないという気持ちが強くなってきました。みんな頑張っていますが、だれよりも先に金メダルを取ります」ときっぱり。
なお、全日本王者を中心としたグレコローマン・チームは、1月19日からイランに遠征し、大会出場と合宿をこなす予定。その後はハンガリー遠征も予定されている。
男子フリースタイルの合宿は13日から始まる。
![]() 今年から各スタイルごとの合宿へ。6面マットを有効に使っての練習 |
![]() オリンピック以来の全日本合宿参加の藤村義(自衛隊) |
![]() 新王者となった音泉秀幸(ALSOK)も気合十分で参加 |
![]() 神奈川大初のオリンピック選手を目指す旧74kg級の阪部創 |