【年始特集】2014年のホープたち（８）完…男子フリースタイル97kg級・園田平（滋賀・日野高→拓大進学予定）
※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
| 樋口黎（茨城・霞ヶ浦） | 文田健一郎（山梨・韮崎工） | 木下貴輪（鹿児島・鹿屋中央） | 奥井眞生（和歌山・和歌山工） |
| 浅井翼（京都・京都八幡） | 白井勝太（JWA／東京・帝京） | 武田光司（埼玉・埼玉栄） | 園田平（滋賀・日野） |
男子フリースタイル97kg級・園田平（滋賀・日野高→拓大進学予定）
斎川哲克と磯川孝生という両スタイルの96kg級がそろって2012年ロンドン・オリンピックに出場。昨年の世界選手権でも斎川、山口剛の両96kg級か好成績を残して意地を見せ始めた日本重量級。トップ選手に引っ張られるように、若手も着々と実力をアップさせている。
将来の日本重量級を支える勢いを見せている一人が、今年度96kg級で高校四冠王（全国高校選抜大会、インターハイ、全国高校生グレコローマン選手権、国体）を達成した園田平。父は日体大でならした強豪で、兄・新（現拓大）は高校２年生の時から全国大会を制覇し、昨年は１年生学生王者に輝くなど大物ぶりを発揮している。 インターハイで快勝した園田平（滋賀・日野高）
兄・新が高校２年生（2011年）にしてＪＯＣ杯カデット、インターハイ、全国高校生グレコローマン選手権、国体を制覇。東日本大震災で全国高校選抜大会が中止されなければ五冠王者もありえた活躍だったのに対し、園田の２年生の時は、ＪＯＣ杯カデット優勝はあるものの、高校生の全国大会は３位が最高。これだけの成績を見るなら、兄の方が上を行っているように思える。
しかし、中学時代に全国王者に輝いているのは弟の方。兄は全国大会３位が最高だったのに対し、弟は2010年に全国王者に輝き、この年から始まった全国中学選抜選手権でも優勝。無敵の存在だった。兄弟で同じ階級に出場した2009年の全国大会は、２年生の弟が２位で、３年生の兄が３位と、弟の方が上位だった。
２年生の時の“低迷”は、同じ階級にずば抜けた強豪（与那覇竜太＝現専大）がいた影響が大きい。だが、強豪との闘いの中から実力をつけ、最終学年で４冠王者の栄光をつかんだ。試練を乗り越えての“ずば抜けた強豪”の仲間入りだけに、その基盤は強固だ。
世界における重量級の活躍を一過性で終わらせないためにも、兄弟での飛躍が期待される。
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■園田平（そのだ・たいら）の話「１、２年生の時は成績がよくなく、悩むこともありました。２年生最後の全国高校選抜大会の団体戦で３位に入り、個人戦で優勝できたことで自信がつき、それが年間４冠につながったのだと思います。兄（新＝現拓大）と比べられて辛いこともありましたけど、追いつきたいという刺激材料になりました。大学では、技術も体力も何もかも劣っていると思うので、全体的に強化していきたい。山口さん（剛＝ブシロード）が日本の重量級もやれることを示してくれました。いつか山口さんを倒したい」
■日野高・南敏文監督の話「ジュニア時代からずっと見てきました。ポカがあったり、けがもあって２年生までは成績を残していませんが、センスは兄（新＝現拓大）より上だと思います。けがをしないようになり、最後の学年でのいい成績につながりました。重量級は体力ですから、拓大で体力をつけてほしい。兄弟で刺激を受け合い、ライバル意識を持って頑張ってほしい。最終的には2020年の東京オリンピックに兄弟で出場してくれることを望みます」
■拓大・須藤元気監督の話「兄も拓大にいて、兄弟で拓大のみならず日本の重量級を支えてほしい。兄弟で切磋琢磨することで、ともに力を伸ばしてくれると期待しています。浅井翼（京都八幡高→拓大進学予定）と同じで、ものおじしないタイプです。96kg級としてはまだ細いかもしれませんが、それで結果を出してきたのですから、体が完成することでもっと伸びるでしょう。伸びしろは十分にある選手です」
◎2013年の成績
【３月：全国高校選抜大会・学校対抗戦】＝３位
120kg級で４試合に出場。フォール勝ち１試合、２－０勝ち３試合＝旧ルール
【３月：全国高校選抜大会】＝優勝（96kg級）
５試合のうちフォール勝ち４試合、２－０勝ち１試合で勝ち上がる。総得失点は39－２（１試合平均タイム２分35秒）＝旧ルール
【４月：ＪＯＣ杯】＝エントリーしながら棄権
【８月：インターハイ・個人戦】＝優勝（96kg級）
５試合をフォール勝ち３試合、テクニカルフォール勝ち１試合、判定勝ち１試合で勝ち上がる（１試合平均タイム１分51秒）
【８月：全国高校生グレコローマン選手権】＝優勝（96kg級）
６試合すべてをテクニカルフォール勝ちで圧勝。総得失点は44－０（１試合平均タイム１分30秒）
【10月：国民体育大会】＝優勝（フリースタイル96kg級）
４試合をフォール勝ち２試合、テクニカルフォール勝ち２試合で圧勝。総得失点は24－０（１試合平均タイム０分55秒）
