2013.12.22

【全日本選手権第1日・特集】注目選手の声

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(12月21日、東京・代々木競技場第2体育館 / 取材=増渕由気子、小林岳人、樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)


■男子フリースタイル55kg級・稲葉泰弘(警視庁=学生二冠王の森下史崇に敗れ2位)「何も言うことはありません。世界選手権で負ったけがは問題ではない。森下選手が強くなっていたのだと思う。何もできなかった感じなので悔しい。このままでは終われないという気持ち。リベンジ目指して頑張ります」


 ■男子フリースタイル55kg級・高橋侑希(山梨学院大=ライバル森下史崇に敗れて決勝進出ならず)「初めての敗者復活戦で、負けてもまだあるというのが今までと違かった。負けてから敗者復活戦までに気持ちを切り替えるのが大変だった。全日本選抜選手権は2位だったので、今回も決勝には行きたかった。ライバルの森下選手とは今季2勝3敗で負け越したけど、去年よりは確実に差が縮まっていると思う。来年に向けて、試合のない冬場に(新しい階級となる)57kg級の体力をつけたいと思う」


■男子フリースタイル84kg級・武田光司(埼玉・埼玉栄高=高校三冠王者。前大学王者に敗れる)「全日本クラスの試合では高校生にはない組み手やテクニックがありますね。タックルに入る前の組み手やフェイントが違う。細かい技術の違いを感じました。大学でレスリングを続けるにあたっての課題です。大舞台での試合は、緊張したというか、わくわくしてプラスになったと思います。大学では74kg級でやることになると思いますが、まず同い年の選手には負けないことが目標です」


■男子フリースタイル84kg級・柴田寛(周南市役所=全日本選手権20回目の出場)「初戦を飾ることができ、まあまあ納得です。20回出場までやってこられたのは、レスリングが好きだからというのが一番の理由ですが、周りのバックアップがあり、環境があったからだと思います。全日本選手権に出ることをモチベーションにして続けてきました。続けられる限りやります。出場記録を更新できるのは(今は)自分しかいないわけで、その権利を生かしたい。まず来年の出場が目標です」


 ■男子フリースタイル120kg級・金沢勝利(自衛隊)「岡選手とは、国体で20秒ぐらいでフォール負けていたので(実際は1分18秒)、やり返してやろうと思っていた。競った試合だったが最後の最後で1点とられてしまった。(自衛隊の集合教育のため、秋まで訓練レスリングができず)訓練が終わったころは全然動けなかった。2ヶ月くらいしてから調子が戻ってきたけれど、まだ学生チャンピオンのころの強さには戻っていない。第2ピリオドも動ける体力をつけないと。3位に満足はしていないが、今回は表彰台が最低限の目標だったので…。次は優勝目指して頑張ります」


■男子グレコローマン55kg級・文田健一郎(山梨・韮崎工高=準決勝で田野倉翔太に敗れるも、昨年負けた国体王者の尾形翼にリベンジして3位へ)「敗者復活戦は勝ち負けより、きっちりやっていこうと思って臨んだ。(尾形とは)全日本合宿などでスパーリングをやらせてもらい、次は負けないという気持ちで挑んでいた。その結果かな、と思います。まだトップを取る実力はないと思うし、今後は59kg級でやるので、そうなったら、(さらに)まだまだです。しっかりと体力づくりをしていきたい。(高校3年間)父が監督ということで周りからの注目もあって苦しいこともあったけれど、最後にメダルという結果を残せてよかった」


■男子グレコローマン60g級・太田忍(国体&大学王者も世界選手権代表の倉本一真には歯が立たず)「パワーの差ですね。体力負けです。(国体に続いて峯村亮、城戸義貴の2選手を破ったが)上との差がありすぎます。テクニカルフォールで負けてしまったのですから、差は大きい。もっとしっかりトレーングして体を作り直し、60kg級で通用するように頑張りたい」


 ■男子グレコローマン60kg級・長谷川恒平(福一漁業=ロンドン・オリンピック55kg級代表、国体2位の城戸義貴にがぶり返し3回転を受けてTフォール負け)「1回目のがぶり返しで左太ももを痛めた。プリプリと音がして、力が入らなくなった。(このまま病院に行って、精密検査をするので)今後のことは、検査の後に考えたい」


 ■男子グレコローマン60kg級・城戸義貴(自衛隊=2回戦で長谷川恒平を破る金星を挙げるも3位どまり)「準決勝で太田選手に負けてしまい、10月の国体で負けたリベンジができず、決勝のキップを逃してしまった。本当だったら、(同門の)倉本とワンツーフィニッシュを飾れるところだったのに残念。自分の技術不足です。長谷川戦では、得意のがぶり返しがいい形で決められた。もう29歳で、若手ではない。いつまでも選手やらせてもらえないので、ひとつずつ進退をかけてやっていきたいです。今後の階級は、下げることはあまり考えていない」


■女子51kg級・向田真優(JOCエリートアカデミー=決勝のラスト1秒に投げを受けてしまい、6-6ながらビッグポイントの差で敗れる)「決勝に出たからには優勝したかった。先取ポイントを奪って、残り30秒を切って3点差がついていたので、勝てると思ってしまった。(ラスト1秒での逆転に)悔しいです。(2位の躍進は)世界合宿に参加させてもらって、その成果が出せたと思う。来年は絶対に優勝したい。階級変更については、まだ決めていない。今回も減量がきつかったのですが、上げるか下げるか決めていないです」


 ■女子51kg級・入江ななみ(九州共立大=全日本選抜選手権優勝だが、今回は3位)「優勝するのとしないのでは全然違う。3位には満足していない。今回は優勝するつもりでやってきたのですが、緊張とかいろいろあって、体が思うように動かなかった。準決勝で負けた相手(向田真優)は強かったです。今後、階級は53kg級にシフトチェンジするつもりです。53kg級になると55kg級からも降りてくる選手もいるので、技など1から見直していきたいと思っています」


 ■女子63kg級・佐藤喜歌(自衛隊=3連敗中の相手に勝って3位)「歌田選手には選抜(全日本選抜選手権)でボロ負けしていたので、気落ちするところもありましたが、試合前に絶対にこれだけはやるということを決めて臨みました。4-4で競った試合であっても、勝ててうれしい。(今年は)負けてばかりで、いい成績を残せなかったけれど、最後に3位に入れてすごくうれしいです。(伊調馨と工藤佳代子が階級を変えてくれ)ありがとう、という感じで、気持ち的に大きかったです。(自衛隊でレスリングをやる理由を問われ)オリンピックを目指しているからです」


 ■女子63kg級・伊藤友莉香(自衛隊=伊調馨が抜けた好機を生かせず2位)「伊調選手が出場する、しないにかかわらず、今回はチャンスだったので、きちんと優勝しなければならなかった。選抜(全日本選手権)で渡利選手に大差で負けて、この差を埋めなければいけないと思って練習してきた。その成果が出せた部分もあれば、出せないところが多かった・まだ甘かったと思った。(伊調が選ぶ階級とは関係なしに)63kg級でやっていこうと思っている。チャンピオンになって世界選手権に行きたいと思います」