2013.11.29

ロシアが早くも“敵情視察”?…オリンピック王者らが「ブラジル・カップ」に出場

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 11月29日(金)~30日(土)にブラジル・リオデジャネイロで行われる「ブラジル・カップ」に、ロシアとスウェーデンからオリンピック王者を含めた一線級の選手が参加する。
 
 ロシアから出場するのは、男子グレコローマンで昨年のロンドン・オリンピックの74kg級で優勝したロマン・ブラソフ、84kg級優勝のアラン・クガエフ、2008年北京オリンピック60kg級優勝で現在は66kg級のイスラムベク・アルビエフの3人のオリンピック・チャンピオンのほか、今年の世界選手権96kg級優勝のニキタ・メルニコフ、ユニバーシアード55kg級優勝のイバン・タタリノフらベスト・メンバーに近い布陣。 
 
 男子フリースタイルでは、2004年アテネ・オリンピック96kg級優勝で今年120kg級に上げて世界選手権で優勝したハジムラド・ガチャロフ、世界選手権優勝の経験を持つ60kg級のベシク・クドホフや74kg級のデニス・チャーグシュら。女子では、2009年世界選手権63kg級2位のユリア・バルトノフスカヤや2007年同級欧州チャンピオンのアンナ・ポロブネバら9選手。
 
 スウェーデンからは、今年の世界選手権55kg級優勝で今月23日に行われたゴールデン・グランプリ決勝大会優勝のソフィア・マットソンが参加する。
 
 ブラジルは決してレスリングが盛んではなく、過去のオリンピックや世界選手権でメダルを取った選手はいない。パンアメリカンの大会でも、男子では銅メダルに手が届く選手が数年に1人出る程度で、女子はメダルこそ取るもの優勝選手は少ない。
 
 そうした国へ世界トップ選手が行く理由としては、移動、時差、食事等を経験し、現地の生活情報を収集する目的が推測される。早くもオリンピックへ向けた臨戦態勢か? なお、オリンピックの試合会場はまだ完成していない。
 
 ブラジルのアンヘル・アルダマ監督は、同国協会のホームページで「ロシアからオリンピック・チャンピオンを含めた強豪選手が来てくれることを歓迎する。世界のトップ選手の闘いを見て、試合や練習ができるのは、とてもいい機会だ」とコメントしている。