※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
フリースタイルB84kg級で優勝した山内誠
大会要項では「表彰式は最終日」となっていたので、試合が終わったあとは塾講師のアルバイトへ向かうためスーツ姿へ。そこに「表彰式を行います」とのアナウンスがあり、スーツ姿で表彰式へ。周囲から「さすが東大生!」と声をかけられて苦笑いの山内は、「すみません」と場違いの格好をまず謝罪。
「防衛大の選手には1度も勝ったことがなかったので、学生最後の試合に勝ててうれしいです」と、防衛大の選手相手に2連勝しての優勝に喜びを表した。2試合連続のテクニカルフォール勝ちに、「こんなにうまくいくとは思いませんでした」と自画自賛。「今でも夢を見ているようです」と続けた。
勝因を問われると、「(昨年優勝の)山崎主将の科学的、論理的な練習が生きたと思います。作戦勝ちだったと思います」とのこと。“考えるレスリング”では、東大がやはり学生界ナンバーワンか? 初戦に続き、決勝でも防大選手を破る
「見ていて面白いと思いましたが、こんなにしんどいスポーツだとは思いませんでした。経験したことのない筋肉痛に何度も襲われました」と言いつつ、「いいスポーツですね」とも。優勝という土産をもって社会人に出ることになり、最高の5年生をおくれたことだろう。
学生の大会はこれが最後だが、早大が中心となって初心者を対象に行っている「ソクラテスカップ」に出場する可能性があるほか、来年3月に卒業した後は「たまに大学に来て練習し、区の大会などに出てみたいと思います」と言う。
年下となる山崎主将(3年)は「4年の夏に入部するなんて変わった人だと思いました(笑)。まさか1年ちょっとのキャリアで優勝するとは思いませんでした。東大の底力の見せられたかな」と笑顔。山内は「優勝という伝統を受け継ぐべく、いい選手を育ててください」と、来年も主将としてチームを引っ張るリーダーにプレッシャーをかけていた。