※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
「オリンピックで期待する選手」や「好きなスポーツ選手」など、最近実施された意識調査で、吉田沙保里選手(ALSOK)がいずれも上位に顔を出し、オリンピック3連覇、国民栄誉賞のパワーを感じさせる結果が出た。
つい5、6年ほど前までは、レスリング選手がこの種の調査で上位に顔を出すことはほとんどなかった。今回は、いずれの調査でも、吉田選手がサッカーの澤穂希選手や卓球の福原愛選手、体操の田中理恵選手らより上。マットの上のみならず、政界、芸能界、CM界をもまたにかけて存在を世間に知らしめた結果と思われる。
あらためて吉田選手のレスリング界への貢献度が証明された。今や押しも押されもせぬ女子アスリートの顔-。
日本スポーツ界の顔となった吉田沙保里選手
2位は内村選手、3位は高校生で100メートルを10.01秒の記録をマークした陸上の桐生祥秀選手。
エンターテインメントポータルサイトのオリコンスタイルは、毎年この時期に「好きな男性・女性スポーツ選手ランキング」を実施しており、今年は10月4~9日にインターネットにて1000人を対象に行った。「女性部門」の1位がフィギュアスケートの浅田真央選手で、2位に吉田沙保里選手が入った。吉田選手は、2007年は10位に入っていなかったが、2008年から10位、9位、8位、4位と上昇し、今年の2位につなげた。「男性部門」の1位は米大リーグのイチロー選手。
週刊朝日は30代以上の男女計1000人に好きな女性スポーツ選手についてアンケートを実施した。総合1位に輝いたのは浅田真央選手で、女性ランキングでも1位。2位に吉田沙保里選手が入り、男性30代と70代では1位だったという。
ただ、マイナビニュースが男女各400人に聞いた「2020年の東京オリンピック、どの競技を見てみたい?」の質問では、男性会員は(1)サッカー、(2)陸上競技、(3)水泳、(4)柔道、(5)体操、女性会員は(1)体操、(2)水泳、(3)サッカー、(4)バレーボール、(5)陸上競技。残念ながらレスリングはなし。
バンダイが小中学生(6~15歳)800人を対象に「東京オリンピックで見たいと思う競技」の調査では、1位は水泳(43.3%)、2位はサッカー(39.9%)、3位は陸上競技(34.8%)。男子のトップはサッカーで、女子のトップは水泳。男女とも5位までにレスリングはなし。「実際に自分でやってみたいと思うオリンピック競技」でも、5位以内にレスリングはなかった。
これらの調査でレスリングが入ってこそ、メジャースポーツの仲間入りとなるわけで、レスリングそのものの人気獲得への努力が望まれる。