2013.08.11

全日本グレコローマン・チームが韓国遠征から帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=増渕由気子)

 韓国・ソウルへ遠征していた男子の全日本チームのうち、グレコローマン・チームが8月10日、羽田空港着の全日空で帰国した(西口茂樹監督と120kg級の前川勝利は帰国済み)。

 フリースタイルより1週間長い2週間の遠征を終え、チームに帯同した飯室雅規コーチ(自衛隊)は「長かったです」と開口一番。60kg級の倉本一真(自衛隊)が出発直前に負ったけがで全力で取り組めないアクシデントがあったり、重量級に関しては、韓国チームの参加選手が少ないなどの環境もあったが、「韓国チームの練習メニューは1日3回でしたが、日本チームは午前と午後の2回に参加する形で行いました。かなり体力トレーニングで追い込んでいただきました」と、全体的には実りある内容だったことを報告した。

 帰国日となったこの日、男子の各スタイルが7階級から6階級になる階級削減のニュースが流れた。その件について、飯室コーチは「9月の世界選手権までは、今までの階級なので、それに向けて精いっぱいがんばってほしい」と、世界選手権代表メンバーにエール送った。

 4月のアジア選手権(インド)で2位となり、軽量級の成長株である55kg級の田野倉翔太(クリナップ)は「2週間、きつい練習でした。途中、小さなけがをしまして、練習試合をパスするなどしましたが、なんとかやり切りました。アップと補強を入れて約2時間の練習でした。手の巻き返し、差しが速いなどスタンドのレベルが日本より高かったです。体力もありましたので、そのあたりはとても勉強になりました」と充実した2週間を振り返った。

 同級の先輩かつライバルで、ロンドン・オリンピック代表の長谷川恒平(福一漁業)が今月初めのピトラシンスキ国際大会(ポーランド)で優勝したことは遠征中に知ったようで、「すごいなと思います。僕も負けていられない」と気合を入れ直していた。

 階級変更に関しては、まだ具体的な階級は決まっていないものの「一番下の55kg級がたぶん、なくなりますよね…。僕はそう思っています。そうなったら、その時に考えます。まずは目の前の世界選手権です」と、まずは9月の世界選手権に集中することを誓った。