※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子) 地元開催で意地を見せた田所
だが、過去3度優勝の田所が2位で満足するはずがなかった。「優勝することが目標だったから、決勝で負けてしまって悔しかった」と笑顔はほとんどなかった。悔しさをぐっとのみ、「相手のほうが力が強かったという負けた原因も分かっている。自分の課題も見えているし、半年後(来年3月)の全国選抜大会に向けて頑張りたい」と、すぐに次の目標を掲げた。
3歳からレスリングを始め、五十嵐真人監督の下で一生懸命に努力を重ねた。過去3度も優勝し、チームのエースに成長した2年前、6年生の時の大会が地元の北海道で行われることを知った。そのニュースを知った瞬間は「やる気が出ました」と振り返る。
決勝で闘う田所
最北端の都道府県である北海道から毎年参戦するには、気持ちだけでなく金銭面もかかってくる。それでも毎年欠かさず全国チャンピオンを目指してきた理由は、レスリングを頑張りたいという気持ちがあるからだ。「中学でも続けます。帯広にある地元の中学校に進学し、今まで通りこのチームで強くなりたい。オリンピック、行きたいです」と、将来の目標に目を輝かせていた。