2013.06.23

男子両スタイルの全日本チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 世界選手権(9月16~22日、ハンガリー・ブダペスト)の代表選手を中心とした男子両スタイルの全日本チームが6月22日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタート。ユニバーシアード(7月11~16日、ロシア・カザン)と世界ジュニア選手権(8月、ブルガリア)の代表も加わり、約60人が汗を流した。

 世界選手権の代表が決まってから初めての合宿に、強化本部長を務める高田裕司専務理事は「本当の意味での今年のナショナルチーム合宿は、今回がスタート。ユニバーシアードと世界ジュニアの代表選手もいるが、メーンは(整列で)一番前に座っている選手。世界選手権の代表に合わせた練習をやる」ときっぱり。

 ユニバーシアードや世界ジュニア選手権の代表、練習パートナーとして参加した選手には「世界選手権代表を倒すつもりでやってほしい。強い選手が集まったところで練習しなければ強くなれない。強い選手が集まる合宿は全日本合宿だけ」と話し、ハイレベルの闘いの中での実力養成を望んだ。

■3分2ピリオドのルール下で必要なものは体力

 試合時間が3分2ピリオドのトータルポイント制に変わって最初の全日本合宿でもある。高田専務理事は「ここに参加する選手なら、何が必要かは分かっていると思う」と問いかけ、「体力であり、スタミナだ。体力がなければ、技術を論じることはできない」と説明。日本選手が外国選手にまさるのはスタミナとし、そのためのハードトレーニングの重要性を説いた。

 その目的のために導入したのが、ストレングスバッグという砂の入ったバッグ。5kg、10kg、20kgとあり、ダンベルのように持ち上げたり、振り回したり、肩にかついでスクワットしたりと多種多様なトレーニングができる器具。

 ダンベルの場合、危険なのでマット脇に置くわけにはいかないが、砂袋なら危険はない。スパーリングをした直後にストレングスバッグのトレーニングを取り入れることで、最後の数十秒の体力養成に役立てたいという。

 世界選手権までの約2ヶ月半、技術練習もさることながら、徹底した体力トレーニングが行われそうだ。

 グレコローマンの西口茂樹強化委員長(拓大教)は「苦しい=力がつく、とは思ってほしくない。苦しいだけの練習と、意味のある苦しい練習とは違う。正しい練習で苦しさを求めてほしい」と、ハードトレーニングの質を要求した。

 合宿は28日まで。男子チームは例年、7月に長野・菅平で高地合宿を行って体力養成をはかてきたが、今年はユニバーシアードで学生王者がいなくなることもあり、7月中旬も東京で合宿。本拠地で十分に体力をつくったうえで、7月下旬から韓国へ遠征して追い込む練習をこなす。菅平合宿は8月末に行う予定。


ストレングスバッグでの練習。

アジア選手権2位をベースに世界へ挑む男子グレコローマン55kg級・田野倉翔太

2009年世界5位以上の期待がかかる60kg級・前田翔吾

初の世界選手権出場に燃えるフリースタイル66kg級の井上貴尋