※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
決勝第1ピリオド、あわや場外に出されそうになった米満
がっちり守ってくる相手へは、「もっとフェイントを仕掛けて崩していく必要があった」そうで、フェイントを繰り返し使っていけばポイントを取れるチャンスが出てきたという。第1ピリオドの序盤に、場外に出されそうなシーンがあったことも、「慎重になってしまった要因かも」と話した。
ただ、2年連続で欧州選手権とゴールデンGP決勝大会を制しているヤブライル・ハサノフ(アゼルバイジャン)を破るなど、米満の実力は掛け値なしに世界トップ級。「世界一になる確率は高い」ときっぱり。
もちろん層の厚さも実感しており、ロシア、インド、キューバなど、「どこが抜け出てもおかしくない階級」であり、ロンドン五輪では過酷な闘いが展開されることを示唆、その中を抜け出すため、「どんな相手でもポイントを取れる実力を身につけてほしい」と要望した。
フリースタイルでは「銀1・銅1」を獲得。「目標には届かなかった。われわれ(コーチングスタッフ)に責任がある」と反省の弁を口にしたが、どの国もレベルアップしている中でこれだけの成績を残したことを評価。上位に残れなかった選手も内容は上がっており、「日本全体の力は間違いなく上がっている」という。
この成績と勢いを見ると、グレコローマンの不振が悔やまれるが、判定のおかしさもあって波に乗れなかったのであり、選手の実力が落ちているものではないと強調。国際大会を十分に経験させなかったことによるマイナスが出てしまったことは確かだが、「やってきた練習の方向性に間違いはない」ときっぱり話した。
「雨のち晴れ」だった男子チーム。確かな手ごたえを感じつつ、佳境を迎える“五輪ロード” を突っ走る。