【全日本選抜選手権第１日・特集】準優勝選手の声

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

（取材＝増渕由気子、渋谷淳、三次敏之、小林岳人）

　■男子グレコローマン55kg級・長谷川恒平（福一漁業＝オリンピック後の復帰戦を飾れず）「取り切れるべきところで、取り切れなかったり、守れるところで守れなかったのですから、練習不足です。ロンドンオリンピックで引退しようと思っていたのですが、メダルを取れなかったので、もう一度世界の舞台で闘いたいと思って出場しました。本格的な練習を再開したのは、１月くらいからです。先のことは終わったばかりで考えられないですが、悔しい気持ちが続く限り、闘い続けたいと思います。できることなら、悔しいという気持ちを持ち続けたいです」

　■男子グレコローマン60kg級・峯村亮（神奈川大職＝全日本選手権に続いて倉本一真に敗れる）「（実力は）出し切った感じはあります。以前はバック取ってローリングという攻めでしたが、（ルールが変わって、相手にすぐコーションがつくので）スタンドでガンガン前に出るようにしました。今のルールは自分に合っていると思います。今年の世界選手権で結果を出すためにやってきたので、結果が出なかったら区切りを付けなくてはいけないと思っている」

　■男子フリースタイル55kg級・高橋侑希（山梨学院大＝学生のライバルである全日本王者を破りながら優勝ならず）「（決勝の相手の稲葉泰弘は）ベテランのうまさがありました。そのレベルに全然達していなかった。ただ、全日本レベルの大きい大会で入賞（２位）したのは初めて。決勝で負けて落ち込むところもあるけど、宿敵（森下崇史）にも２連勝していい大会だった（５月のリーグ戦でも勝利）。森下選手との対戦は、０－６と追い込まれましたが、あきらめたら終わりだと思って、開き直りました」

　■男子フリースタイル96kg級・木下駿（自衛隊＝自衛隊に進んだ最初の大会で２位）「大学時代は表彰台に上がれなかったので、うれしいです。ただ、決勝では何もできず、技もかけられなかったので悔しいです。（２回戦で学生時代に勝てなかった山本康稀に勝ち）自衛隊に入って練習してから、合宿で闘っても分の方が強いと感じていました。でも、勝って素直にうれしいです。自分は不器用で頭も悪いので、筋トレや技の練習をコツコツとやってオリンピックに行きたいです」

　■男子フリースタイル120㎏・岡倫之（日大＝本戦決勝とプレーオフで荒木田進謙に連敗。世界選手権出場ならず）「（荒木田に）去年の全日本選手権で勝っているけど、今日の結果が自分の実力。ポイントでは競っていたかもしれないけど、（荒木田は）強くて自分とは距離があると思った。１からやり直します」

　■女子48kg級・入江ゆき（九州共立大学＝全日本選手権に続いて登坂絵莉に黒星）「まだまだです。強くならないといけないです。試合に向けて調整はできていたし、自分から攻めようと思っていたのですが、攻めることができませんでした。次はリベンジできるように頑張ります。妹（入江ななみ）に優勝を先越されたのは悔しい気持ちもありますが、素直に称えたいです」

　■女子59kg級・坂上嘉津季（至学館大＝階級アップの初戦を飾れず）「勝つために55kg級から階級を上げました。決勝の伊藤選手はけがをしていた。自分は万全な状態だったが、勝てなかった。それで負けるというのは問題だと思う。残り15秒まで３－３のコーションの差で勝っていて、『もう勝った』と思ったのが間違いだった。新ルールでは攻める人が有利なので、最後まで攻めなかったのが敗因です」

　■女子67kg級・井上佳子（クリナップ＝過去接戦続きの土性沙羅に敗れる）「ルール改正で、トータルポイントの勝負なのでグラウンドに持ち込もうと思っていましたが、中途半端になってしまいました。（土性は）ふだん一緒に練習しているので、手の内もよく分かっている同士なので、やりづらい部分はありました。後輩たちは、どんどん強くなっているので、気を引き締めていこうと思います」