2013.06.11

【全国中学生選手権・特集】親からの甘えを断って成長! 男子38kg級・服部大虎(水戸・笠原)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

 沼尻直杯全国中学生選手権の男子38kg級は、昨年同級ベスト8だった服部大虎(水戸・笠原)が、決勝で昨年まで全国少年少女選手権を7連覇していた森川海舟(東京・日野学園)を第1ピリオド、テクニカルフォール勝ちを収めて初優勝を遂げた。

 成長期の中学生で、特に軽量級で2年連続で同じ階級に出場する選手は少ない。しかし、減量が少ない服部は今年も迷わず38kg級にエントリー。「絶対に勝てると思っていた」と自信を持って臨み、全試合フォールかテクニカルフォール勝ちという圧勝優勝し、「点数は取られましたが、自分の動きができたのでよかった」と初優勝を喜んだ。

 2年前の小学校6年生の時は、全国大会で優勝する力を持ちながら、春の全国少年少女選抜選手権では皮膚病で失格。夏の全国少年少女選手権では、決勝まで勝ち進みながら微妙な判定で惜しくも2位止まりだった。その悔しさをバネに2年間、地道に努力を重ねてきた。

 水戸スポーツ少年団で服部の指導にあたっている阿部敏明監督は「あの負けがあったから、今回勝てたんじゃないかな」と分析。「中学では初タイトルです。本人が一番うれしいと思いますよ。スピードがあり、機敏に動く選手。来年は体重を見ながら連覇を狙っていきたいです」とV2に期待を寄せた。

■親に頼りすぎていた自分に喝!

 これまで勝ち切れなかった原因を、服部は「親に頼っていた」と打ち明けた。減量など食事面でのコントロールや、ふだんの練習で技を習得することなどが、親に言われないとできなかったという。それを一つずつ断ち切って今大会に向けて準備をし、それが功を奏しての優勝だった。

 次の目標は、11月の全国中学選抜選手権での優勝と思われるが、まず「自分で考えて、親に頼らずやっていくこと」とメンタルの自立を話し、その延長上として今季2冠を目標に挙げた。11月まで約5か月。服部がさらなる飛躍を目指す。