※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
国際レスリング連盟(FILA)が5月18日の臨時総会でルール改正を決めた翌19日、米国・ロサンゼルスで早くも新ルールによる3ヶ国対抗戦が行われた。
当初は15日にニューヨークで行われた対抗戦に参加したイランが出場する予定だったが、イランが16日に予定をキャンセルして帰国(注=理由は明らかにされていないが、ロサンゼルス在住の反政府思想のイラン人が多く安全が保障されていない、との報道がある)。米国、ロシア、カナダの3ヶ国で試合が行われた。
試合はフリースタイル13試合が行われ、男子の米国-カナダは3-0で米国が勝ち、米国-ロシアは2-2の引き分け、ロシア-カナダは2-0でロシアが勝利。女子の米国とカナダが2-2だった。
今年の欧州選手権を含めて3度欧州王者に輝いているオパン・サト(ロシア)は2試合をこなし、ロンドン・オリンピック銅メダルのコールマン・スコット(米国)を含めて2戦2勝。「ポイントがやや戸惑ったが、2ピリオドのトータル・ポイント制は賛成だ。自分のレスリングをするだけの時間がある。レスリングをオリンピックから守る活動に参加できて幸せだ。私を含めて、レスリングが人生だという人間は世界中に数えきれないほどいる」と話した。
男子フリースタイル74kg級に出場した2011年世界&ロンドン・オリンピック王者のジョーダン・バローズ(米国)は,、ニューヨークでの試合と同じくサバ・クベチ(ロシア)相手に第1ピリオドのラスト10秒、14-3のテクニカルフォール勝ちで快勝。連勝記録を「54」に伸ばした。
米国の「アマチュア・レスリング・ニューズ」誌は、バローズとクベチのニューヨークの試合とロサンゼルスの試合を比べ、新ルールで行われたロサンゼルスの試合の方がバローズの強さを段違いに示しているとし、新ルールを支持している。両者のニューヨークでの試合は、バローズが2-1(1-1,5-0,7-3)で勝っており、両者が獲得した合計ポイントは、奇しくも、ともに17点だった。