※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)
最終戦で昨年の全日本選抜王者を破り、将来性を見せた60kg級の川瀬克祥
山梨学院大戦は、勝利を見込んでいた55kg級で全日本王者の森下史崇が高橋侑希に敗れ、この誤算が響いた形。松本慎吾監督は「勝たなければいけない、という意識がプレッシャーになったのかもしれない」と分析。全日本王者といえども実力を発揮できなくなるリーグ戦の怖さだが、「この悔しさと経験を次の全日本選抜選手権に生かしてくれればいい」とかばった。
山梨学院大との一戦は、84kg級の櫻庭正義が第3ピリオドの終了とほぼ同時に警告を取られ、逆転負けという黒星を喫した。一度は手にしかけた白星を逃がしたことも大きく響いた。「キャリア不足?」という声に、「そうかもしれませんね」と話した。
昨年は、一部に復帰して最初のリーグ戦。それで優勝でき、順調な滑り出しと思われた“松本体制”だが、秋の全日本大学グレコローマン選手権と全日本大学選手権では団体優勝を逃し、団体戦で勝つことの難しさをあらためて感じたといったところ。
同監督は「去年のリーグ戦はチームが一丸となって闘えた。今回の結果をしっかり受け止め、残る(団体戦の)2大会で勝てるように頑張りたい」と話すとともに、「ウチの目標は、あくまでも世界。さらにレベルアップしていきたい」と、巻き返しを誓っていた。