2013.05.16

米国、ロシア、イランがレスリングのオリンピック競技存続を国連本部でアピール

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

米国レスリング協会ホームページほか、多くのメディアは、オリンピックでのレスリングの存続へ向け、米国、ロシア、イランのレスリング・チームが5月14日、米国ニューヨークにある国連本部で記者会見したことを報じた。

 米国とイランは核開発などを巡って対立が続き国交は断然。米国とロシアはシリア情勢をめぐって対立している。レスリングでは深い協力関係にあることを強調し、15日にはニューヨークのグランドセントラ駅で3ヶ国対抗戦を公開する予定で、レスリングでの団結をアピールし、オリンピック競技としての存続を訴えた。

 会見には国際レスリング連盟(FILA)のネナド・ラロビッチ会長代行(セルビア)も出席。「アメリカは、世界176ヶ国のレスリング連盟とともに世界レスリング月間を祝福しを共有しようとしている。セントラスステーションでの闘いはレスリング月間の最高のイベントだ。ここに出場するアメリカ、ロシア、イランの選手を見ていると、レスリングをオリンピック競技に残すために毎日ハードに動いている気持ちを鼓舞される。このスポーツは強い(パワーを持つ)。世界には3000万人のレスラーがいて、毎日汗を流している」と話した。

 米国のリッチ・ベンダー専務理事は「世界のレスリング連盟は当初、いくつかの助けを必要とした。アメリカだけではできない。イラン、ロシア、その他の多くの国の協力で、短期間でこうしたイベントができるようになった。これはスポーツの歴史の中で類を見ないイベントである。レスリングをオリンピック競技に存続させるため、世界の強豪が闘う」と話した。

 ロシアのクリスタキス・アレクサンドリディス監督は「ニューヨークは文化、経済、政治の面で世界最大の都市。そこで、アメリカ、ロシア、イランの世界3強が闘い、世界に見せるのは、レスリングが単なるスポーツではなく、多くの人にとっての非常に重要な一部であるからだ」と、レスリングならではの団結を強調した。

 イランのラスール・ハデム・コーチ(1996年アトランタ・オリンピック銅メダル)は「私の国では、レスリングは単なるスポーツではなく、文化と歴史の一部。そうした国は多い。存続のために協力してほしい。レスリングとともに何百年も生きてきた人たちの願いと希望だ」と話した。

 なお、イラン・チームは19日にもロサンゼルスで米国4チームと対抗戦を行う。。