2013.05.02

男子両スタイルの全日本チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文・撮影=保高幸子)

7月のユニバーシアード(ロシア)、6月のアジア・ジュニア選手権(タイ)、9月の世界選手権(ハンガリー)の代表候補選手を中心とした男子両スタイルの全日本合宿が5月1日、東京・味の素トレーニングセンターでスタートした。(右写真)

 4月からの強化スタッフによる2度目の合宿。グレコローマンの西口茂樹・新強化委員長(拓大教)は、前回は仕事の関係でフル参加はかなわなかったが、今回は初日から指導。高田裕司強化本部長 (フリースタイル強化委員長=山梨学院大教)が全体の指揮をとり、通いの選手も含めると120人となる大規模な合宿となった。

 昨年のロンドン五輪出場組は金メダリストの米満達弘(自衛隊)、高谷惣亮(ALSOK)、斎川哲克(両毛ヤクルト販売)が参加した。

 練習に先立ち、高田裕司強化本部長 は「ここはレスリングの聖地。ジュニア組もユニバ組もナショナルチームも切磋琢磨し、若い選手は日本代表を倒すつもりでやってほしい」と話し、富山英明副本部長(日大教)が「大学生のレベルが上がることが日本全体のレベルを上げることになる。世界に目を向け、やるべきことをしっかりやってほしい」と続け、共に若い世代を激励した。

 西口委員長は「ほとんどのけがは防げるもの。気がゆるんだ時に、しなくてすんだはずのけがをする。今けがをしたら全日本選抜選手権(6月15~16日、東京・代々木競技場第2体育館)で全力を発揮できなくなる。気持ちを高めてやってほしい」と注意を促した。

 合宿は6日まで行われる。


■高田裕司強化本部長の話「先月のアジア選手権のグレコローマンで金4つを取った韓国の新しいコーチに、韓国チームのトレーニングを見せてもらったが、300kgもあるものを持ち上げたりというすごいものだった。招待していただいたので、7月に世界選手権代表と学生選抜での韓国遠征を考えている。今度、マルチサポート事業からフィジカルトレーナーをつけていただくことになったので、韓国での映像を見せ、日本でできることをやってみたいと言う思いがある」

 ■西口茂樹グレコローマン強化委員長の話「アジア選手権では『チャレンジしてみよう』という攻めの姿勢の選手が少ないと感じた。勝つためのと言うよりも負けないためのレスリングをしている。それは、その時に注意しました。経験が足りないのだろうと思うので、韓国やロシア、ハンガリーなど、軽量級と重量級で分かれてもいい練習ができる所へ派遣できればと思う。フリースタイルと違い、外国に出て経験を積まなければ金メダルは取れない。私は調子が落ちた選手のスイッチを入れる役割だと思うので、そうでない、上り調子の時には、私自身が何かをすると言うよりもいかに良い環境とチャンスを与えてあげられるかだと思っています。リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得できるよう、一歩一歩着実に全体のレベルを上げていきたいと思います」

 ■高谷惣亮(ALSOK)の話「2月のワールドカップ(イラン)で膝の内そく靭帯を痛めてから、1ヶ月間は独学で体幹トレーニングやヨガをやっていました。体重も少し増えました。4月下旬にほぼ完治し、今日は久しぶりのマット練習でした。練習してみて、体がぶれないというかトレーニング効果を実感できたので、こういう時間があったのも良かったと思っています。去年の天皇杯(全日本選手権)では気を抜いたところで失点してしまい、ふがいなかったので、選抜選手権では気を抜かず、集中して試合して存在感を見せたいです」