2026.05.01

【2026年JOC・特集】インターハイで“天敵”へのリベンジを目指す…U17男子フリースタイル65kg級・齊藤巧将(東京・自由ヶ丘学園高)

 2022~24年全国中学選抜U15選手権で3連覇を達成した齊藤巧将(東京・自由ヶ丘学園高)が、U17-65kg級の4試合を勝ち抜いて優勝。進学後、初の全国タイトルを手にした。

 「とりあえずホッとしました」と振り返った齊藤は、「去年は一つもタイトルを取れず、苦しい1年だった。強くなるために、どう練習すればいいのか、毎日考え、毎日妥協することなく練習してきましたが、それでも結果が出なかった」と、苦しい日々を振り返った。

▲進学後、初の全国タイトルを手にした齊藤巧将(東京・自由ヶ丘学園高)

 決勝の相手の日浦璃毘兎(福井・敦賀気比高)は、昨年のU17世界選手権で銀メダルを獲得した選手であり、齊藤が3位に終わった国民スポーツ大会で優勝した選手(対戦はなし)。

 組み合わせが決まったときから決勝での対戦を予想し、「毎日、練習できつくなったら日浦選手の顔を思い浮かべた。寝る前にも、どうやったら勝てるかを考えていた。いいことではないけど、授業中にも思っていた」というほどマークしていた選手。

 そうしたイメージトレーニングがよかったか、第1ピリオドをアクティビティタイムと2度の場外で3-0とリード。第2ピリオドも日浦につけいるすきを与えない。ラスト4秒、無理にこらえずに場外に出て1点を失ったが、3-1のスコアで勝って優勝を引き寄せた。

▲U17世界銀メダリストの日浦璃毘兎(福井・敦賀気比高)を相手に、つけいるすきを与えずに快勝

予定より遅かった進学後の初の全国タイトル

 2年生になって最初の全国大会での優勝は、考えていたより「遅かった」ときっぱり。中学最後の年は、全国中学選抜U15選手権に加え、U15アジア予選、全国中学生選手権も勝って国内無敗だった自信もあったのだろう、昨年のこの大会から優勝するつもりだったと言う。

 しかし、足首の負傷もあって2回戦で敗れたことが、つまずきの始まり。「勝ちぐせが崩れた」と表現したが、その後の3度の全国大会では決勝に進めず、国民スポーツ大会の3位が最高。年度末の全国高校選抜大会も上位入賞はならなかった。

 内容的には、優勝した選手に敗れるなどで、組み合わせ次第ではメダルには手が届いただろうが、優勝戦線に残れことがなく、不本意な1年となったことは間違いない。

 その間、チームメートで中学の2大会での優勝経験はない60kg級の薬野柑太が1年生インターハイ王者に輝き、国民スポーツ大会でも優勝。「注目を全部持っていかれた」と悔しさもあった。「勝手にライバル意識を持っていた。柑太が頑張っていれば、負けないようにやってやる、という気持ちで練習に臨んだ」と、毎日が激しい闘いだった。

▲久しぶりの決勝進出、そして勝利にガッツポーズ

昨年勝てなかった大会を取りにいく

 「2年生になって気持ちも新たに、絶対に負けないという目標を立ててやった。さっそく優勝できてうれしい」と話す一方、昨年のインターハイ、今年3月末の全国高校選抜大会の学校対抗戦と個人対抗戦の両方で敗れている鸙野大河(京都・京都八幡高)がグレコローマンに出場し、闘うことがなかったことを差し引かねばならないことを認識している。

 3月の2度の対戦では、闘い方を変えるなどありとあらゆる工夫をしたが、「勝てなかった。今年も、インターハイと全国高校グレコローマン選手権で闘うことになると思う。リベンジできるように頑張りたい」と、新たな目標を見据える。

▲インターハイ王者・鸙野大河(赤)との実力差を見せつけられた3月の全国高校選抜大会。今夏のインターハイでの雪辱を目指す

 今年の場合、U17世界選手権とインターハイの日程が近く、高体連レスリング専門部の方針でどちらかを選択することが決められている。齊藤はインターハイを選ぶ予定。「自分が取りたいのはシニアの世界選手権。U17の世界選手権ではない」という気持ちと、鸙野へのリベンジを含めて昨年勝てなかった大会を取りにいくためだ。

 雌伏(しふく=将来の活躍する機会をじっと待っていること)のときを終えた“タイトルホルダー”が、いよいよ飛び立つ!