2026.03.10NEW

ブルガリアで内紛激化、協会は抗議内容を否定し対話による解決を示唆

 ブルガリアの通信社「Bulgarian News Agency」やロシアのタス通信によると、ブルガリアで2026年3月4日、スタンカ・ズラテバ同国協会会長(43歳)の辞任を求める抗議活動が青少年スポーツ省前で行われ、レスリングクラブのキッズ選手、シニアの選手・コーチ、元協会職員、サポーターなどが参加。昨年の欧州チャンピオンのキリル・ミロフ選手、パリ・オリンピック金メダリストのセメン・ノビコフ選手(元ウクライナ)、オリンピックV2のアルメン・ナザリアン・コーチ(元アルメニア)など著名選手・コーチも加わったという。

▲プラカードを持ってブルガリア・レスリング協会への抗議活動が行われた=Bulgarian News Agencyより

 抗議は約1時間、破壊活動などはなく平和的に行われた。参加者は「人種差別反対」「辞任」「スタンカ退場」「裏取引終結」「アスリートへの誠実さと敬意」と書かれたプラカードとブルガリア国旗を掲げ、ズラテバ氏の辞任、総会の招集、そして新たな選挙の実施を求めた。

 現場の不満は、外国生まれでブルガリア国籍に変えた選手が代表チームで活動することを制限しようとする方針と、代表チームを中央集権的なトレーニングシステムに移行し、協会が任命したコーチの下で練習することを義務付けたことなどが中心。昨年の世界選手権では、協会の方針に従わなかったCSAKチームの選手の出場が認められず、今年の欧州選手権でも同様のケースが見込まれている。選手たちはクラブのコーチからの指導を主張している。

 オリンピックで2個の銀メダルを獲得し世界選手権5度優勝のズラテバ会長は昨年3月、現場の支持を得てブルガリア・レスリング協会の会長に選出され、同国史上初の女性会長となった関連記事)。

前執行部の公金不正を発見し、正常化を主張

 同国協会ウェブサイトは、CSAKチームへの合宿への招待状を示して差別していることを否定し、今月9日からのU23欧州選手権にはCSKAチームの6選手が代表に選ばれていることを指摘。抗議に参加している人には、犯罪歴(経理の不正)を持つ個人やクラブ代表が多いとし、「根拠が全くない」としている。

 「私たちはまだ困難な道のりの始まりにいますが、疑わしい犯罪歴を持つ者たちが私たちの活動を攻撃しようとしています。彼らは、私たちが明らかにした事実と、これから明らかになるであろう不正行為を恐れ、パニックに陥っているのです」と主張。スポーツ省によって、2020年初頭から2023年末までの4年間に、前経営陣による30万レヴァ(約2,800万円)を超える公金の不正使用を発見し、「ダン・コロフ国際大会」でも重大な財務違反も発見し、捜査機関に提出することを明らかにしている(関連記事)。

▲昨年、現場からの圧倒的支持を得て42歳の若さでブルガリア協会会長に推されたスタンカ・ズラテバ(日本の感覚では「若い」だが、欧米の組織で40代の会長は珍しくない)。困難な状況をどう切り抜けるか=ブルガリア協会ウェブサイトより

 帰化選手の問題については、「ブルガリア生まれの選手を育成し確立するためのプログラムを継続的に続けている」とし、練習を制限していることを否定している。

 オリンピック金メダリストのセメン・ノビコフ選手から対話要求が出されていることも明らかにしている。「未来のための最善の解決策は、交渉のテーブルで見つかる。連盟は、ブルガリア・レスリングの発展と国内選手の育成に関するあらゆる問題について、常に議論に前向きです。皆様から提起されたあらゆる問題について、冷静かつ専門的に議論します」として、その要求を受諾。
 
 「ブルガリア・レスリングの未来のために、建設的で責任ある雰囲気の中で対話を続けられることを願っています」と、対話による解決を示唆している。