2013.04.15

日体大レスリング部が青葉台駅前で署名活動…4時間で約1600人分を集める

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(取材・撮影=保高幸子)

日体大レスリング部が4月14日、最寄り駅である横浜市の東急田園都市線「青葉台」駅前でレスリングの五輪競技存続署名活動を行った。同部では存続を訴えるTシャツを作成。背中にはOBがが銀色、学生は金色で「SAVE OLYMPIC WRESTLING」とプリントされており、道行く人々にレスリングの五輪存続を訴えかけた。(右写真)

 部員とOBの約80人で交代で街頭に立ち道行く人に訴えかけた約4時間で、1596人分の署名が集まった。

■こうした活動で「社会性が育っていく」…松本慎吾監督

 同部の松本慎吾監督は「私自身よりも、妻や友人から後押しがあり、今回の署名活動を決めました。団地の方々や大学内の他の部などから『署名の用紙をいただければ署名したいです』とのありがたいお話があり、みなさんに応援していただいているということを知って、日体大レスリング部として何か活動をおこしたいと思いました」と説明する。

 年度末は業務や行事が忙しく、身近な場所で少しずつ活動はしていたが、大がかりな活動はできなかった。年度が変わって時間がとれ、ロンドン五輪銅メダルの松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)や同五輪代表の湯元健一(現日体大職)と斎川哲克(両毛ヤクルト販売)に加え、来週インドで行われるアジア選手権に出場する前田翔吾(クリナップ)、田野倉翔太(クリナップ)、森下史崇(日体大)も参加して4時間に及ぶ街頭署名となった。

 同監督は「微々たる力かもしれないが、5月末のIOC(国際オリンピック委員会)理事会の前までにできることをやろうと思っています」と話す。

 また、「こういう活動によって、社会性が育っていくとも思います」と、学生教育の一環とも考えている。「皆さんの通行に迷惑にならないように気を付けたり、見ず知らずの方に説明しお願いをするということで話し勉強になります。自ら発信して協力を求めるということは大きな勉強になるだろうと思います」と言う。

■「がんばってね」と言われるとうれしい…松本隆太郎選手

 松本選手は「ボクらができることは限られていますし、どれくらい効果があるのかは分かりませんけど、マイナスにはならないと思います。できることをやろうと思います。日体大や会社の方でもお願いして集めてもらってます」と言う。

五輪の金メダリストらが参加して行った3月30日の表参道での署名活動には、他のスケジュールが入っていて参加できなず、街頭に立つのは今回が初めて。「署名してくださって、『がんばってね』と言われると、うれしいしありがたいですね。2020年は先の話ですけど、お子さんがいる方は共感して下さるようで、よくご協力くださいます」と振り返った。

 来週は「前橋シティマラソン」にゲストランナーとして参加する予定で、主催者から「署名活動をしましょう」と言ってくれ、場所も作ってもらうことなので、そこでも署名を求めるという。

 なお、同選手は6月の明治杯全日本選抜選手権には、66kg級に上げて出場する予定だという。「ロンドンが集大成」と思ってやってきたが、一段落したことで、「次の目標を立てて徐々にという気持ちです」と言う。

 4月から群馬大学の大学院(博士課程医学系研究科医化学専攻)に進み、群馬と横浜の往復で忙しくなって五輪前ほどの練習はできておらず、体も戻っていないそうだが、「今できることをやっておきたい、という気持ち。焦らずに長い目で見てやっていこうと思っています」と話した。