2026.01.21

アブデュラシド・サデュラエフ(ロシア)が米国RAFと独占契約、世界のレスリング界が大きく変わる!

 

 米国のリアル・アメリカン・フリースタイル(RAF)は、オリンピック2度優勝でロシアを代表する選手、アブデュラシド・サデュラエフ(ロシア)と独占契約を結んだことを発表した。世界選手権への出場には支障ないものと思われるが、同選手は今後、プロとしてはRAF以外のイベントに出場することはない。

 RAFは「史上最高のアスリートの一人をマットに迎え入れることができ、光栄です」との声明も発表。イジー・マルティネスCOO(最高責任者)は「記念すべき契約であり、世界最高のアスリートたちがRAFの一員になる必要性を感じていることを示しています。私たちはレスリングを最高レベルでプロ化し、このスポーツの未来を形づくる場となることを目指しています」とコメントした。

▲しばらく「ロシア」所属で試合をしていないアブデュラシド・サデュラエフ。“ロシアのサデュラエフ”が米国で復活するか=2018年世界選手権でカイル・スナイダーを撃破

 サデュラエフは、2016・21年オリンピック優勝のほか、世界選手権優勝6回(2014・15・18・19・21・24年)。3階級(男子フリースタイル86・92・97kg級)で世界一に君臨した史上2人目の選手。2024年パリ・オリンピックは国際オリンピック委員会(IOC)から出場が認められなかった。同年10月の非オリンピック階級の世界選手権92kg級で優勝。

 昨年の世界選手権はクロアチア政府からビザが発給されずに出場できなかったが、2028年ロサンゼルス・オリンピックで3度目のオリンピック優勝が期待されている。

 RAFでのデビューの日時は明らかにされていないものの、対戦相手として早くも宿敵のカイル・スナイダー、2021年東京オリンピック125kg級優勝のゲーブル・スティーブソン、昨年の世界選手権86kg級優勝で新星のザヒド・バレンシア(いずれも米国)らの名前が挙がっている。

現役世界王者やMMAファイターが王座を競うRAF

 RAFは昨年夏、実業家のチャド・ブロンスタイン氏や元プロレスラーのハルク・ホーガン氏(昨年7月24日に第1回大会を見ずに死去)によって、「トップレベルのレスラーをスターに育てること」を目的に設立。プロレスとは違うプロのレスリング団体として活動している。

 「リアル・アメリカン」の名称は、ホーガン氏が長年プロレスの入場テーマソングとして使われた曲にちなんでつけられた。

▲勢ぞろいしたRAFのスター選手=RAFウェブサイトより

 同年8月30日に第1回大会が開催され、今月10日に第5回大会が行われている。ヘレン・マルーリス(女子57kg級)など現役の世界チャンピオンも出場する一方、総合格闘技(MMA)へ進んだ選手も参加。レスリング選手の新たな活躍の場となっている(関連記事)。

スターを失ったロシアは複雑だが…

 最近、ロシアでもプロのイベントが盛んになったが、サデュラエフは母国ではなく米国でのプロ・ファイターの道を選んだ。ロシア・レスリング界は歓迎しておらず、同国協会のミハイル・マミアシビリ会長は「ロシアには『選択の自由と権利』があります」としながら、「これは悲しいニュースです」とコメントした。

 一方、スピードスケートのオリンピック金メダリストで現在は国会議員のスベトラーナ・ジュロワ氏は「わが国の選手たちは(IOCや一部の国によって)国際大会への出場を禁じられていますが、アメリカは彼を最高のアスリートとみなし、喜んで契約を結びました。混乱を終わらせるべきときが来たことを示しています」とコメントしている。

 RAF の第6回大会は2月28日にアリゾナ州で開催予定。2008年北京オリンピック金メダリストでUFCでもチャンピオンになったヘンリー・セフード(米国)や、2階級で世界王者になったフランク・チャミゾ(キューバ~イタリア)らが参加する。

 
 
 
 
 
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