2025.12.27

【2025年全日本選手権・特集】健闘選手の声

(2025年12月18~21日、東京・駒沢体育館)


 ■女子53kg級・志土地真優(ジェイテクト=東京オリンピック53kg級チャンピオン。3位決定戦で眞柄美和を10-0で撃破)「昨日の2試合はすごく力んでしまった部分もあった。最後の3位決定戦は次につながる試合だと思って、志土地コーチの方からも『楽しんでこい』と言ってもらえたので、肩の力を抜き、練習通りの自分を出そうと務めました。ここ最近は負けが続いて、3位決定戦に出場する機会が多かったんですけど、これも自分の中での試練だと受け止めています。

 ロサンゼルス・オリンピックに出るための予選も厳しくなることが予想される。その中で、最後は絶対に自分がオリンピックに行けるようにしたい。だから今回の試練も乗り越え、次に向けてのリスタートを切ろうと思いました。昨日の敗戦を引きずることがなかったのは、前日、いつも一緒に練習している松雪泰葉選手が76kg級で優勝したことも大きかったですね。彼女に追いつき追い越せるように頑張っていきたい」


 ■女子59kg級・恒村友香子(サントリー=東京オリンピック62kg級チャンピオン。準々決勝で高校生の野口紗英に敗北)「初戦の前は、復帰戦(今年10月の全日本女子オープン選手権)のときより緊張していて、どうなるかな、と思っていました。全日本選手権独特の雰囲気というか、マットが一段高いところにある駒沢体育館で闘うのは、本当に久しぶりだったからだと思います。でも、思ったより動けたと思う。

 今回のテーマは、今の自分が全日本トップ選手にどこまで食ってかかれるか。(実際にやってみたら)思ったより闘えているという手ごたえは感じました。(野口戦では)もう少しで点数を取れる、というシーンが2~3回あったけど、そこで取り切れなかったのが私の現状だと思う。今の私は、東京オリンピックで優勝したときとは全くの別人。出産して同じ体であるわけがない。また一から作り上げていく気持ちでやっています。1年前は妊婦をやっていたけど、ちゃんと闘えるところまで戻ってきたな、という感覚です。まずは日本で一番になることが目標です」


 ■女子62kg級・尾西桜(日体大=59kg級世界チャンピオン。階級を上げて挑戦も、準決勝で初対決の尾﨑野乃香に敗北)「全日本の舞台でオリンピック階級に変更して挑んだんですけど、率直な感想は、そんなに甘くないなっていうことです。その一方で、収穫もたくさんあったので、ロスに向けてのスタートとしてはいい大会だったんじゃないかと思います。今は前向きな気持ちです。今回通用した点は、自分の長所であるスピード感。反応もできたし、タックルもとれたりしたけど、逆に大きく差を感じたのはフィジカルの面です。

 自分は59kg級から上げての62kg級ですけど、相手は68kg級から落としている。単純に力の差だったり、最後に処理するところで取り切れなかったり、点数につなげるという点では、相手の方が一枚も二枚も上手だったと思います。初めて闘った中で自信につながった部分もあった。もうそんなに差はない。(実力は)そこまで来ているという感覚なので、あと2年あれば必ず追い越せると思っています」


 ■女子76kg級・鏡優翔(サントリー=パリ・オリンピック・チャンピオン。決勝で松雪泰葉に残り時間1秒で逆転され敗北)「試合前から、やることは決まっていたし、あとは出すのみ、という感じだった。いざ試合になったら、『こういうふうに入ったら、相手はカウンターを狙ってくるんじゃないか』とかいろいろ考え、躊躇してしまう部分があった。そこが今回負けた理由だと感じています。自分がやり切れなかったこと、出し切れなかったことがあった分、本来はこうやるべきだったよなというのがすごく見えた決勝でした。

 昨日の準決勝までの写真を見ていたら、自分の体はまだ絞り切れていないということをちょっと感じました。今回は体重を結構落としたんですよ。今までは(練習していけば)自然とその体重(76kg)になっていたので、今回落とすという作業をして落とした感が強かった。それだけ無駄なものがあった期間が長かったわけで、そういう部分でも体つきは違っていたと思う。(いまの練習では)全然、補えておぎなえていなかったんだと思います」


 ■男子フリースタイル86kg級・石黒隼士(自衛隊=世界選手権2位。負傷で棄権)「大会直前の練習中に左足首をけがし、1週間くらい前に出場は厳しいと思った。3日前くらいにコーチと相談の結果、欠場を決めました。年明けには、けがを治し、気持ちを作り直す計画をコーチと話し合って決めたい。(5月の)明治杯からモチベーションを高めていきたいけど、アジア大会に関しては、正直なところ重きはなく、ロサンゼルス・オリンピックへ向けての気持ちの方が大きい。年齢的に数多く試合をこなす段階ではない。(オリンピックの予選スタートとなる)来年12月の全日本選手権にしっかり照準を合わせたい。

 世界2位になったことで、実力がついていることは感じるけど、混戦状態なので次も同じ結果を残せるとは限らない。ただ、一歩抜け出すためのプラン、技術的な計画は立てています。(この階級で優勝した)高谷惣亮さんだけじゃなく、髙橋(夢大)さんも強くなっている。でも、自分はもっと進化したい。(来年からグラウンド状態での場外も1失点になる)ルール改正は、差して場外に押し出すことが多い自分にとって有利なルール。そのあたりを味方につけて、やっていきたい」


 ■男子グレコローマン67kg級・曽我部京太郎(ALSOK=世界選手権代表。宿敵・遠藤功章に敗れる)「(相手のローリングを)返されたこともですが、自分の得意なローリングを決め切れなかったことが一番の敗因であり、ダメだったところです。毎日スパーリングしている相手。自分も研究していましたけど、それ以上に先輩が自分のことを研究して今大会に挑んだのだのだと思います。

 負けて学んだことも経験したので、しっかりと成長に変えられるように練習していきたい。来年は、今年以上に考えて練習し、自分を追い込み、5月(全日本選抜選手権、プレーオフ)は自分が2回勝って、アジア大会につなげたい」


 ■男子グレコローマン82kg級・山下智誠(九州共立大=大学入学後にレスリングを始め、キャリア9ヶ月弱で全日本選手権出場も初戦敗退)「とても緊張しました。相手(小西寿=京都・京都八幡高)が強くて何もできなかったです。会場のムードがすごくて緊張したこともありますが、弱いからです。弱いことが分かりました。悔しいから、帰ってからすぐに練習します。

 (キャリア9ヶ月での全日本選手権出場について)自分の実力とは思っていません。監督とかによくしてもらって、ここに来られたと思っています。実力をつけるのはこれからです。足りないのは体力で、筋力が全然足りません。技術面もダメなので、練習して頑張ります。来年はもっと強くなって帰ってきます」


 ■男子グレコローマン97kg級・天野雅之(中大職=史上2位タイとなる19度目の出場)「体力0より下の状態での闘いでした。でも、出せる力はすべて出しました。(相手の)若さが壁となりました。最後のグラウンドのチャンスを回せなかった。彼もそこが勝負と思っていたでしょう。『若い芽をつむな』というご意見もありますけど、ひとつの踏み台としてやってもらうことも、日本重量級の次世代の選手に必要だと思います。自分自身では、レスリングを心の底から楽しんでいきたい。

 (来年の出場へ向けて)明治杯の出場資格があるので、そこで出場資格を目指し、そこで無理ならほかの大会に積極的に出て資格を取りたい。柴田さんの22回という目標、偉大な記録があるので、頑張りたい。目指せる射程圏内に入っているので、何とか更新し、そのあとは、高谷選手だったり、北村公平選手とかに更新されることを楽しみにします。まず自分が最高を目指します」