2025年天皇杯全日本選手権で成國大志(筒井メディカルグループ)が男子グレコローマン72kg級と男子フリースタイル70kg級の双方で優勝。1973年の吉田光雄以来、52年ぶりに両スタイル同時優勝を達成した。
グレコローマンの全日本選手権は1957年にスタート。選手数の少なかった重量級を中心に両スタイル出場の選手は多く、両スタイル同時優勝はさほど珍しいことではなかった。そのうちに、グレコローマンの普及が進んでスペシャリストが増え、どちらか一方に絞ることが主流へ。大会も、前半にグレコローマン、後半にフリースタイルなどと分かれるのではなく、両スタイルを同時進行で行うことが多くなり、両スタイル出場は難しい状況となった。
両スタイルが別会場・別日程で行われた1984年大会(以後はすべて同会場・同日程)で朝倉利夫が双方に出場したのを最後に、翌年から両スタイルに出場する選手は途絶えた。
2022年に両スタイルで出場資格を持っていた成國大志(MTX GOLDKIDS=当時、以下同じ)と向田旭登(専大)が双方にエントリー。このときは両者とも負傷で不出場だったが、2023年全日本選抜選手権で二宮健斗(日本文理大)と山田脩(日体大)が両スタイルに出場したのをきっかけに、双方で可能性を求める雰囲気ができた。
2023年大会では18選手が両スタイルにエントリー。掛川零恩(早大)がフリースタイル92kg級で銀メダル、グレコローマン82kg級で銅メダルを獲得し、50年ぶりの「両スタイル同時メダル獲得」を達成。昨年は田南部魁星(日体大)がフリースタイル65kg級で優勝、グレコローマン67kg級で2位となり、「51年ぶりの両スタイル同時決勝進出」を達成。成國の両スタイル同時優勝へとつながった。
両スタイル出場にあたっては、当初、同じ日に試合があって出場する試合が重なったり接近していても一切の考慮はなかった。今年から、スタイルをまたがって試合がある場合でも、規定の試合間隔(20分)をとることになったので、両スタイルへの挑戦が増えていくかもしれない。
同一年の両スタイル同時優勝選手は下記の通り。
※GR=グレコローマン、FS=フリースタイル。1973年までは両スタイル同階級
| 年 | 選 手 名 | 所 属 | 階 級 |
| 2025年 | 成國大志 | 筒井メディカルグループ | GR72kg級・FS70kg級 |
| 1973年 | 吉田光雄 | 専 大 | 100kg級 |
| 1972年 | 鶴田友美 | 中 大 | 100kg以上級 |
| 1971年 | 田上 高 | 鹿児島・甲南高教 | 68kg級 |
| 〃 | 谷 公市 | 和歌山県教育庁 | 90kg級 |
| 〃 | 矢田静雄 | 和歌山・粉河高教 | 100kg級 |
| 〃 | 鶴田友美 | 中 大 | 100kg以上級 |
| 1970年 | 谷 公市 | 国士舘大 | 90kg級 |
| 1969年 | 田上 高 | 日体大 | 68kg級 |
| 〃 | 谷 公市 | 国士舘大 | 90kg級 |
| 〃 | 矢田静雄 | 日体大 | 100kg以上級 |
| 1968年 | 藤本英男 | 日体大教 | 62kg級 |
| 1964年 | 斎藤昌典 | 明 大 | 97kg以上級 |
| 1959年 | 川野俊一 | 法大OB | 87kg級 |
| 1958年 | 平田 孝 | 法大OB | 52kg級 |
| 〃 | 竹田幸彦 | 中大OB | 73kg級 |
| 1957年 | 大倉茂男 | 早 大 | 67kg級 |
| 〃 | 永井 隆 | 中 大 | 79kg級 |