2013.04.08

五輪金メダリストが新日本プロレスでレスリングの五輪存続をアピール

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

米満達弘選手(自衛隊)ら五輪金メダリストが4月7日、新日本プロレスの両国国技館大会で、レスリングの五輪競技存続嘆願の署名活動のほか、リング上からレスリングの五輪競技存続をアピールした。

 参加したのは、ロンドン五輪金メダリストの米満選手、小原日登美さん(自衛隊)、伊調馨選手(ALSOK)のほか、1984年ロサンゼルス五輪金メダリストの富山英明氏(日大教)、宮原厚次氏(自衛隊)の5人。第5試合終了後の休憩時間の前にリングに上がり、観客からの大声援を受けた。

 代表してあいさつした米満選手は「神聖なリング上であいさつできることを光栄に思います。今日は皆さんのおかげで、たくさんの署名が集まりました。レスリングは危機的状況に陥っています。オリンピックを目指し、プロレスを目指し、頑張っている子供達が大勢います。子供たちの夢と希望を絶やさないよう、署名をお願いします」と、プロレスの発展のためにもレスリングの火を消さないことをアピール。

 新日本プロレスを代表してリングに上がった中西学選手(専大OB=1992年バルセロナ五輪代表)は「伝統あるレスリングですが、今、皆さまの新しい力が必要です。レスリングがあって、今の自分があります。ぜひ署名をお願いします」と訴えた。

■新日本プロレスがレスリング存続に全面支援

 新日本プロレスは、レスリングが五輪競技から除外の危機を迎えたあと、地方巡業などの試合会場で署名活動を展開。この日もロビーの一角を署名のためのスペースとし、署名を訴える看板や署名用紙、・バインダーなどを用意して全面的に支援してくれた。

署名活動は、5人の金メダリストのほか、先月30日の街頭署名に続いて東京・ゴールドキッズの選手と保護者が協力し、試合前、休憩、試合後の3度にわたって展開。試合前には永田裕志選手(日体大OB)、休憩時間には中西選手が参加して署名を呼びかけ、約1500人分の署名が集まった。

 日本レスリング協会からは馳浩副会長が会場を訪れ、新日本プロレスの親会社であるブシロードの木谷高明会長に、このような機会をつくってくれたことに感謝の意を示した。

 米満選手は中学時代まではタイガーマスクのファン。プロレスラーを目指していた時期もあって、プロレスのリングは憧れの場所だったという。「自分にとって特別な場所なので、緊張しました」と、リング上でのあいさつで声が震えていた理由を説明。メーンの後には、IWGPヘビー級王座を奪取したオカダ・カズチカ選手にベルトを手渡した。

 メーンのあと、チャンピオンの認定証を読み上げることになった小原さんは、初めて生で見るプロレスのファンの熱狂さにびっくりの様子。その熱気はレスリング支援にもつながっていると感じたようで、「たくさんの方が署名を快くしてもらえて本当にありがたいなと思いました。活動を続けいきたい」とファンに感謝。

 伊調選手は「本当にたくさんの方にご協力いただきました。プロレスの会場ですけど、レスリングの応援もしてくださっているので、頑張っていきたいなと思いました。(オリンピックは)私にも夢の場所になっていました。子供たちのためにもレスリングを守っていかなければならないと思いました」と話した。

第5試合のあと、5人の金メダリストがリングに上がった

五輪出場の後輩、米満と話す中西学

人気抜群の米満選手

3人の金メダリストをねぎらう日本協会・馳副会長

チャンピオンの認定証を読み上げた小原さん

チャンピオンにベルトを授与した米満選手