国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、ドーピング違反のため昨年のパリ・オリンピックに出場できなかった男子グレコローマン130kg級で世界選手権5度優勝のリザ・カヤルプ(トルコ)の出場停止期間を、「4年」から「1年6ヶ月」に短縮する決定を下した。
カヤルプはパリ・オリンピックを控えた2024年5月、ドーピング違反に問われ、国際検査機関(ITA)から4年間の出場停止処分を受けてオリンピックに出場できなかった。
同選手は「スポーツドクターの監督下で、重度の耳鳴り、めまい、頭痛の治療薬として処方された薬を服用した」とCASに控訴。CASはこのほど、「故意の行為ではなく、重大な過失もなかった」と判断して停止期間を短縮した。同選手の出場停止は今年12月31日までとなった。
同選手は、パリ・オリンピックで前人未踏の5連覇を達成したミハイン・ロペス(キューバ)に2011年と2015年の世界選手権で土をつけており、パリ・オリンピックに出場すれば2022年世界王者としてロペスの偉業を阻止する可能性を持つ選手だった。
今年10月に36歳になったカヤルプは、記者会見でこの1年半を「試練」と表現し、再起については言及しなかったが、トルコのタハ・アクグエル会長は「彼の体力は依然として素晴らしい。今回の決定で、彼は再び試合に出場できる。もしかしたら、これまで逃してきたオリンピック金メダルを獲得できるかもしれない」とコメントした。