2025.11.26

【2025年東日本大学女子リーグ戦STIカップ・特集】個人戦優勝とは違う喜びに、感激もひとしおの藤波朱理主将(日体大)

 2025年東日本大学女子リーグ戦STIカップで6年ぶりの優勝を遂げた日体大。キャプテンとしてチームをけん引してきた藤波朱理は、予選リーグの神奈川大戦と決勝の育英大戦の2試合に出場し、ともに10―0のテクニカルスペリオリティー勝ち。チームの王座奪還を支え、学生最後の大会を飾った。

▲チームをけん引したキャプテンとして胴上げ受けた藤波朱理

 「チームのみんなと目標にしていた優勝ができました。初めての団体優勝で、個人戦とは違ううれしさがあります」

 決勝は、チーム2連敗のあとのマットだった。「流れを変えてやるんだ、という気持ちで挑みました」という試合は、課題だったグラウンド攻撃もさえての快勝。チームスコアが2勝2敗になったあとの76kg級では、三重・いなべクラブから同じ道を歩んできた後輩の伊藤渚が殊勲の白星を挙げ、「興奮しました」と喜びもひとしお。

 新キャプテンの弓矢紗希(53kg級に出場)もキッズ時代から一緒に歩んだ後輩で、全試合が終わったあと、2人をしっかりと抱擁。「自分のすべてを知ってくれている大切な後輩。同じ大学で一緒に闘えたことは、これ以上はないという最高の時間でした」と、興奮はなかなか冷めない様子。

▲チームの優勝を決めた伊藤渚を、満面の笑みで迎えた藤波朱理

 「みんなが全力を出し切って闘った結果です。見ている人も面白いと感じる決勝だったと思います」と振り返り、あらためて優勝が決まったときの気持ちを問われると、「青春でしたね」とにっこり。

全日本選手権は「必ず優勝します」

 個人での闘いに絞ってみると、57kg級で挑む初めての天皇杯全日本選手権(12月18~21日、東京・駒沢体育館)前の最後の実戦。快勝の2試合だったが、やはり反省点はあるそうで、「動画を見て研究したい」と言う。

 具体的には、相手と相対して構えるときの感覚は53kg級のときと変わらないものの、タックルに入って相手との距離がなくなるとき、すなわち組み合ったときの感じ方に違いがあるそうだ。そのあたりの対処の仕方に課題が見つかり、その克服を目指すが、「成長していくことが楽しい」と、気持ちはどこまでも前向き。

 全日本選手権は、来年9月に準地元と言える名古屋で行われるアジア大会の予選でもある。「この優勝をステップアップにして、必ず57kg級で優勝します」と話した。

▲課題だったグラウンド攻撃も一歩一歩前進。全日本選手権へ向かう