2025.11.13NEW

【2025年全日本大学選手権・特集】吉田兄弟の進撃が続く! 兄の4連覇とともに吉田アリヤ(日大)が1年生王者へ

 千葉・市川コシティ出身の吉田兄弟の進撃が止まらない。四男・アラシ(日大)が9月のシニア世界選手権で銅メダルを取り、10月のU23世界選手権で優勝の快挙を達成。今月初めの全国社会人オープン選手権で次男・ケイワン(三恵海運)が優勝、長男・アミン(三恵海運)が銀メダルを獲得したことに続き、今回の全日本大学選手権でアラシ(97kg級)と五男・アリヤ(74kg級=日大)が優勝。アラシは4連覇で、アリヤが1年生王者と、兄弟そろって記録的に特筆すべき優勝を達成した。

▲昨年のインターハイ優勝に続き、1年生で大学王者に輝いた吉田アリヤ

 アリヤは準決勝までの4試合をフォールかテクニカルスペリオリティで勝ち抜き、決勝の林拳進(中大)戦は7-0の無失点勝利。「優勝できて、安心しました」と声が弾んだ。

 8月の全日本学生選手権で完敗した山下凌弥(日体大=同大会で優勝)は不出場だったが、代わって出場した全日本学生選手権2位の神谷樹生(日体大)と3回戦で闘い、12-2のテクニカルスペリオリティで撃破。山下へのリベンジマッチを実現させたかったような優勝だった。

 快勝続きの内容だったが、大会前から自信があったわけではない。第1試合で「自分のレスリングにはまってポイントが取れ、それが自信になって徐々に力を出していけました」と、試合を重ねるごとに調子が上がり、自信がついていったという。

兄弟の相乗効果で飛躍を目指す!

 決勝は、さすがに緊張して自分の動きはあまりできなかったものの、「チャレンジャーという気持ちを忘れずに闘ったことで、自分の実力を出せたかな」と振り返った。

▲フォールやテクニカルスペリオリティができなかったが、決勝は無失点での勝利。大学日本一を勝ち取った

 昨年のインターハイは65kg級で優勝。年末の全日本選手権で70kg級へ上げ、今春のJOCジュニアオリンピックを経て、8月の全日本学生選手権で74kg級に挑んだ。昨年夏からの1年3ヶ月で、2階級アップをこなして学生トップレベルに躍り出たわけだが、12月の全日本選手権は70kg級に出る可能性もあると言う。

 いずれはオリンピック階級の74kg級へ照準を合わせるとのことで、今のこの階級の強豪がライバルとなる。74kg級の選手ながらこの大会の86kg級を制した高橋海大(日体大)のほか、「全日本レベルで考えれば強い人が多い。まだまだ強化しないとなりません」と気を引き締めた。

 同じ大学のアラシから叱咤激励されることは少ないそうだが、うまくいかないときには、きちんとアドバイスしてくれると言う。兄たちの快進撃は大きな刺激材料であり、「自分で自分にプレッシャーをかけています」とのこと。

 アラシは来春の卒業後も日大を拠点に練習を続け、世界王者を目指す。兄弟の相乗効果で飛躍を目指す!