2025年の男子フリースタイルの大学日本一を決める内閣総理大臣杯全日本大学選手権は、11月8日(土)~9日(日)に大阪・堺市金岡公園体育館で行われ、昨年5階級を制して優勝した山梨学院大が連覇を目指す一方、王座を明け渡した日体大が奪還を目指す。二強時代を終わらせるべく、他大学の躍進はあるか。大学対抗得点の見どころを探った。
11月8日(土)午前10時 開会式/全階級1回戦~準決勝
9日(日)午前9時45分 全階級敗者復活戦・ファイナル
青山学院大・育英大 / 大体大・神奈川大 / 関西大・関学大 / 九州共立大・近大 / 慶大・国士舘大 / 周南公立大・専大 / 大東大・拓大 / 中大・中京学院大 / 帝塚山大・天理大 / 東農大・同志社大 / 東北学院大・東洋大 / 日体大・日本文理大 / 日大・福岡大 / 法大・明大 / 桃山学院大・山梨学院大 / 立大・立命館大 / 早大
【ルール】実施10階級のうち、8階級まで出場可で、非オリンピック階級(55・63・72・82kg級)は2階級まで。各階級とも成績を「優勝=12点、2位=9点、3位=6点、5位=3.5点、7位=2点、8位=1点」とポイント化し、合計得点で競う。
2年連続優勝を目指す山梨学院大は、5月の東日本学生リーグ戦の日体大戦(決勝)に出場した選手が同じように実力を発揮してくれれば、この大会でも十分に勝てる。このときに勝った選手は、57kg級・勝目大翔、61kg級・須田宝、70kg級・冨山悠真、86kg級の五十嵐文彌、125kg級・ソヴィット・アビレイの5選手。昨年王者の65kg級の荻野海志も奮起が期待される。
だが、8月の全日本学生選手権は五十嵐文彌と92kg級の増田大将の2選手のみの優勝。勝目は弓矢健人(日体大)に、冨山は薄井晴登(日大)に、アビレイはバトバヤル・ナムバルダグワ(育英大)に敗れており、この大会での優勝は保証されていない。日体大が五十嵐に対して74kg級世界王者の髙橋海大で勝負を仕掛け、増田は1階級上の97kg級の出場となってU23世界王者の吉田アラシ(日大)相手では荷が重い。この2階級も落として須田のみの優勝というケースもありうる。
そうならないためにも、荻野主将、五十嵐副主将の優勝がほしいところ。74kg級に抜てきが予想される安藤慎悟も昨年の新人選手権2階級制覇の実力者であり、0点(9位以下)となる階級がなさそうなことは大きな強みだ。
3選手が優勝し、5選手が2~5位として、66点(12点×3=36点、6点×5=30点)は見込まれる(関連記事)。
日体大は、リーグ戦で実力を発揮した65kg級・西内悠人のほか、苦汁を飲まされた57kg級・弓矢健人、74kg級・山下凌弥(リーグ戦は70kg級出場)、79kg級・神谷龍之介(同86kg級)が名誉ばん回の活躍ができるかが鍵。この4階級で最低3階級は制したいところ。
74kg級世界王者の髙橋海大を86kg級で起用し、97kg級にグレコローマンの吉田泰造をぶつける勝負が、どんな結果をもたらすか。全日本学生選手権2位の61kg級・赤嶺明柳、U23全日本選手権3位の125kg級・丸山政陽とともに、優勝はできなくとも3位は外したくない。
山梨学院大と同じで、最低3階級で勝ち、あとの選手がいかに上位を確保するかの勝負となりそう。2年前は最後に勝敗が決まる大接戦で、日体大が65点、山梨学院大が63点だった。今大会でも、65点前後での優勝争いとなるか。
リーグ戦もだが、日体大と山梨学院大の2チームだけで優勝争いが行われるのは好ましい状況ではない。他大学の選手が両チームの選手を倒して対抗得点でも上回る状況になってほしい。
全日本学生選手権で、61kg級・向田旭登と79kg級・高原崇陽が優勝した専大は、この2人に同3位だった65kg級・上村律心や国民スポーツ大会3位の57kg級・松村祥太郎が優勝する勢いが望まれる。
日大は92kg級・藤田龍星、97kg級・吉田アラシ、125kg級・藤田宝星の重量級に加え、74kg級の昨年のインターハイ王者の吉田アリヤ、65kg級に挑む全日本学生選手権61kg級3位の永井陸斗らの頑張りがほしい。
早大も複数階級で優勝を目指せる選手がいるし(八隅士和=65kg級、ガレタギ敬一=79kg級)、中大もまんべんなく上位を目指せる布陣。山梨学院大と日体大の2強時代を終わらせる活躍が期待されよう。