2025.10.26

10.28~29アジア・ユース大会(バーレーン)出場の日本チームが出発

 10月28日(火)~29日(水)にバーレーン・マナマで行われる2025年第3回アジア・ユース大会のレスリング競技に参加する日本代表チームが10月25日、成田空港から出発した。選手・役員は、日本レスリング協会のウェアではなく、日本オリンピック委員会(JOC)の赤いジャージを着用。総合競技大会のムードが高まる中での出発となった。

▲バーレーンへ向かった日本選手団

 吉岡治チームリーダー(京都・丹後緑風高教)「総合競技大会で、選手は緊張してはいますが、楽しみにしてもいて、『優勝します』という抱負が多く聞かれた。期待しています」と、選手の意気込みを評価。他国も力を入れる大会であることを認識し、インターハイや国民スポ-ツ大会の王者、U17世界チャンピオンを中心に好成績を目指したいという。

 ふだんの遠征とユニホームが違い、JOCの行動規定も伝えられて、「オリンピックの縮小版」という感じだという。選手は、いずれオリンピックを現実的に目指すであろう選手だけに、「いい経験になると思います」と言う。

 田野倉翔太監督(東京・自由ヶ丘学園高教)は「ひとつでも多く金メダルを取って帰って来たい」ときっぱり。普通の遠征以上に日本代表としての自覚が芽生えるのが総合競技大会とのこと。自身も2013年ユニバーシアードに日本代表として参加した経験がある。「こういう大会に出ることでオリンピックへのあこがれも強くなるもの。そういうことを感じることができる機会なので、この経験を今後に生かせるようにしてほしい」と望んだ。

 今年のU17のアジア選手権と世界選手権に続く帯同となる赤坂美里コーチ(千葉・野田中央高教)「選手権と違う大きなイベント。選手は、いつもとは違う気持ちで臨むと思います。ふだんと違う緊張感が出てくると思うので、しっかりとサポートしたい」と、選手の全面支援を口にする。女子チームはU17世界チャンピオンや同2位もいるので、アジアなら十分に勝てるとも思えるが、油断は禁物。「力を出し切れるようにしたい。ベストを尽くさせたい」と言う。

 砂川航祐コーチ(福島・ふたば未来学園高教)も今年のU17アジア選手権に続く帯同。参加全競技の選手が集まっての出発式があったり(レスリングはオンライン参加)、日本選手団のグループラインに競技のレポートが上がったりで、「いつもの国際大会と違う大会ということを、私たちフタッフも感じる。選手も当然、緊張やプレッシャーがあると思う。万全の状態でマットに上がれるようにサポートしたい」と話した。

 「全選手がメダルにはからめる実力を持っている。少しでも多くの選手が、さらに上にいけるようにスタッフも団結したい」と、チームの団結を強調した。

▲“小型オリンピック”に向け、気合を入れるコーチングスタッフ。左から砂川航祐、赤坂美里、吉岡治、田野倉翔太(公式キャップ着用)


 ■男子フリースタイル60kg級・日浦璃毘兎(福井・敦賀気比高=国民スポーツ大会1年生王者)「試合の直前になったら緊張すると思いますけど、今は、まだふつうの気持ちです。国民スポーツ大会で優勝して、その勢いを持ち込みたい。(U17世界選手権で2位だったが)1位がアジアの選手(インド)だったので、また当たる可能性もあるので頑張りたい。構えが浮かないようにして、第1ピリオドから自分のペースで闘い、最初にミスをしないようにしたい」

 ■46kg級・大矢華乃(東京・自由ヶ丘学園高=U17世界選手権優勝)「高校の田野倉先生がチームの監督として帯同してくれるので、先生の前で優勝できるように頑張りたい。(U17世界選手権で優勝したので)アジアは当然勝てると言われますけど、世界選手権はヨーロッパとアメリカの選手との試合だけで、アジアの選手とは闘っていません。どんなレスリングをしてくるか不安な部分はあります。全日本女子オープンは、準々決勝でひじをけがし、この大会のために、そのあとを棄権しました。完治ではないですが、しっかり動けます」

 ■49kg級・勝目結羽(愛知・至学館高=2024年U17世界選手権優勝)「緊張はしますけど、今できることをやって、試合を楽しもう、という気持ちです。インターハイの前にひざをけがし、本格的な練習を始めたのは全日本女子オープンの1週間前でした。練習できなかった中でも、できることがあるので頑張りたい。U17世界選手権を欠場してインターハイを選んだのに、それも出られなかったので、この大会で優勝したいと思います。(中学入学以降、国内外で無敗)連勝は意識していませんけど、負けたくない、という気持ちはあります。


大会スケジュール

10月28日(火)男子フリースタイル45・51・60・71kg級/女子40・46・53・61kg級
  29日(水)男子フリースタイル 48・55・65 -80kg級/女子43・49・57・69kg級


日本選手団・役員

【チームリーダー】吉岡治(京都・丹後緑風高教)

【監 督】田野倉翔太(東京・自由ヶ丘学園高教)
【コーチ】赤坂美里(千葉・野田中央高教)、砂川航祐(福島・ふたば未来学園高)

【帯同審判】小池邦徳(天理大GM)、古里愛理(茨城・東洋大付牛久中・高教)、保坂和哉(山梨・農林高)


日本代表選手

 【男子フリースタイル】
▼45kg級 古澤 陸(大阪・大体大浪商中3年)
▼48kg級 牛窓勝心(京都・丹後緑風高1年)
▼51kg級 椎名遥玖(東京・文化学園大杉並高3年)
▼55kg級 古澤大和(大阪・大体大浪商高2年)
▼60kg級 日浦璃毘兎(福井・敦賀気比高1年)
▼65kg級 丸田龍平(埼玉・埼玉栄高3年)
▼71kg級 小林賢弥(大阪・大体大浪商高2年)
▼80kg級 塩塚温大(埼玉・埼玉栄高2年)

 【女子】
▼40kg級 中西 杏(三重・いなべ総合学園高2年)
▼43kg級 東 海良(宮崎・櫻美学園高1年)
▼46kg級 大矢華乃(東京・自由ヶ丘学園高2年)
▼49kg級 勝目結羽(愛知・至学館高2年)
▼53kg級 小塚菜々(三重・いなべ総合学園高2年)
▼57kg級 棚田紗雪(兵庫・芦屋学園高3年)
▼61kg級 粟野和夏(埼玉・埼玉栄高1年)
▼69kg級 寺岡真央(大阪・大体大浪商高2年)