2025.10.11

計量失格のパリ銅メダリストに1年間の出場停止処分…インド・レスリング連盟

 インドのメディアが報じたところによると、クロアチア・ザグレブで行われた2025年世界選手権で計量失格となった男子フリースタイル57kg級のアマン・セラワット(インド=パリ・オリンピック3位)が、インド・レスリング連盟から1年間の出場停止処分の制裁を受けることになった。国内および国際レベルのあらゆる活動への参加と関与を禁じられるという。

 インド・チームは世界選手権の前にクロアチアで最終合宿をするなど、万全を期して大会に臨んだが、アマンは1.7kgオーバーで計量失格となった。同選手は「体調不良のため減量が間に合わなかった」と釈明したものの、連盟はコーチ陣の意見を検討した結果、その言い分を「正当な理由にならない」と判断。厳しい処分を科した。

▲来年の世界選手権とアジア大会(名古屋市)の出場が絶望的となったアマン・セラワット(インド)=UWWサイトより

 来年の世界選手権は出場停止の期間中。アジア大会(名古屋市)の約1週間前に処分は解除されるが、国内予選に出場できないため、恩赦(処分をなくしたり、軽減すること)などがない限り、インド男子最年少のオリンピック・メダリストの出場はなくなった。

 同行していた男子フリースタイルのコーチ4人にも、当初は活動停止処分が出されたが、最終的には警告となった。

 タイムズ・オブ・インディア紙は、WFIは処分書で「アマンの不注意な行動が国際舞台におけるインドのイメージを汚した」「世界選手権への参加とトレーニングのためにインド政府が負担した費用に、多大な経済的損失をもたらした」との理由が記載されていることを報じている。

 インドは、昨年のパリ・オリンピック女子50kg級で、決勝へ進んだビネシュ・フォガトが2日目の計量をパスできず順位がつかなかった出来事があった。周囲は決勝まで進んだにもかかわらずメダルを手にできないことに同情的だったが、インド連盟は計量失格に対して厳しい措置をとる姿勢を示していたもよう。