2025.10.08

【2025年国民スポーツ大会・特集】豪快なリフト技がさく裂、リボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園高)がグレコローマンで優勝

 今年、高校の最重量級を席巻してきたリボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園高)が、高校の最後の大会となる2025年国民スポーツ大会でグレコローマンに出場。4試合に圧勝し、ふだんと違うスタイルにもかかわらず強さを見せた。

▲決勝でも豪快なバック投げを2度決めたリボウィッツ和青

 昨年のフリースタイル92kg級に続く2連覇で、今年は全国高校選抜大会、JOCジュニアオリンピック(U20-97kg級)、インターハイに続いて4個目の全国タイトル獲得。

 リボウィッツ和青は「俵返しや反り投げの練習もしてきて、しっかり出せました」と満足そう。柔道も並行してやってきた選手だけに、一本背負いなどの投げ技に活路を見い出すとも思われたが、決勝は全国高校生グレコローマン選手権2位の地元選手(井手悠馬=滋賀・八幡工高)に豪快なバック投げを2回決める強さを見せ、グレコローマンの魅力を会場にアピールする形となった。

 グレコローマン出場を決めたのは自身の意思。国際大会と重なるなどして全国高校生グレコローマン選手権には一度も出場できなかったので、最後にグレコローマンの闘いを経験してみたかったと言う。「グレコローマンの技術はフリースタイルにもいかされる」として取り組むフリースタイルの選手もいるが、そういう意味合いより、「単純に興味があったからです」とのこと。

▲スタンドからの投げ技も披露(準々決勝)

吉田アラシ(日大)の快挙は自分のエネルギー

 もちろん、グレコローマンの技術を身につけることでフリースタイルにもいかされることは聞いている。今回経験してみて、差しからの展開や、相手の差しに対する防御がうまくなったことを感じるという。グラウンドでは、体重移動や重心の置き方、プレッシャーのかけ方がフリースタイル以上に重要であるため、その技術をフリースタイルにもいかしていきたいと言う。

 高校ではフリースタイル一筋だったので、つい脚を取りにいこうとしたりはなかったのか? 「それはなかったですけど、(こう着して)ブレークとなって再開するとき、ついフリースタイルの構えをしそうになることはありました」と苦笑い。

▲圧勝で優勝し、「東京」をアピール

 このあと目標とするのは日本一。全日本選抜選手権(男子フリースタイル97kg級)で完敗した吉田アラシ(日大)が先月の世界選手権で銅メダルを取り、さらに大きな壁となったが、「全力で勝ちにいきます」と気持ちが萎縮することはない。「吉田選手に勝てば、世界の銅メダル以上にいける、ということ。いい先輩ですね」と話し、吉田の快挙は自分のエネルギー。12月の全日本選手権では「高校生王者を目指します」ときっぱり-。

▲6月の全日本選抜選手権は吉田アラシに完敗、今度はどんな闘いを見せてくれるか