2013.03.19

グレコローマンは長袖のシングレット導入へ…FILAネナド・ラロビッチ会長代行

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 USAツデー紙は3月17日、レスリングの五輪競技からの除外問題を取り上げ、国際レスリング連盟(FILA)のネナド・ラロビッチ会長代行(セルビア)が、シングレットのリニューアルと、フリースタイルとグレコローマンを明確に区別するルールを導入したい考えを示したことを報じた。

 同会長代行は「シングレットは20年、30年、いや、それ以上変わっていない。古すぎる。変えなければならない」と話し、グレコローマンは第2、3ピリオドになると汗のため相手をつかむことができなくなるので、長袖のシングレットの導入を考えているという。

 観客はフリースタイルとグレコローマンの明確な区別ができていないため、明確に区別するルールにしたいそうで、いろんなテストをして決める必要があるという。そのため、5月の国際オリンピック委員会(IOC)の理事会までに変えるのは不可能であるが、「変えることを伝えることはできる」と話した。

 ラロビッチ会長代行のルール改正構想は下記の通り。

 ■ルールの簡素化:複雑なルールをなくすこと。レスリングを見たことのない人が午前中にレスリング会場を訪れ、夜になって帰る時にはすべてのルールを分かるようなルールにする。

 ■ポイント攻防のある試合:現在は押し合いのレスリングが多すぎ、観客もメディアも関心を持ってくれない。クリンチのルールはよくない。消極的な選手にはペナルティーを課し、アグレッシブな試合をするよう義務付ける。

 ■審判の主観を排除:ポイントが簡単かつ迅速に分かるルールの導入。審判の主観が判定に影響を及ぼさないようなルール。

 同会長代行は、レスリングの除外勧告が決まった2月のIOC理事会の時、FILA本部にはだれもいなかったことを明かし、「(FILA幹部は)何の情報もなかったと言っているが、私はそれを信じていない」と、暗にFILA幹部の状況把握力のなさを批判。「私たちは眠っていた。非常ベルを鳴らし、起こしたところだ」と話した。

 最後に「私達の将来へ向けての最高のパートナーがIOCだ。抗議で金メダルをIOCに返還するのはよくないし、意味がない。IOCの決定に抗議するのではない。私達の行動を改善することによってのみ、IOC(理事会)の決定を変えることができる」と話した。