2013.03.18

全日本プロレスが署名活動に協力…東京・両国国技館

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

レスリングを五輪競技に復活させるための署名活動が全国的に展開されている中、全日本プロレスも協力。3月17日に東京・両国国技館で行われた大会でも行われた(右写真)。同所属の大和ヒロシ選手(本名・三原弘嗣=千葉・君津青葉高~東農大OB)らの発案で実現。両国だけでなく3月に入ってからの地方巡業でも行われている。

 大和選手はプロレスラーを目指し、高校時代にレスリングに取り組んだ。「やっていくうちにレスリングの奥深さを感じ、面白くなった」と、プロレスラーを目指すとともにレスリングそのものに打ち込み、インターハイに出場。大学時代の2002年にJOC杯全日本ジュニア選手権男子グレコローマン76kg級で3位入賞の成績を残し、東農大を支えた。

 卒業後、全日本プロレスの新人テストに合格。メキシコで修業した後、2008年2月に日本でデビュー。昨年8月には世界ジュニアヘビー級王座を奪取し、全日本プロレスのジュニアヘビー級戦線で欠かせない選手に成長している。

 レスリングの五輪除外のニュースを聞いた時は、「信じられなかったし、悔しかった」と言う。「(オリンピックの基幹である)マラソンをなくすようなもの。単に歴史があるからとかではなく、パワー、スピード、スタミナとあらゆる体力が必要な最高のスポーツで、絶対に欠かせない競技。相手を倒すのではなく、制する格闘技なので安全性も高い」と力説する。

 「青春を捧げた競技」(本人談)を守るべく、会社に署名活動への参画を呼びかけ、実現した。この日は、元全日本プロレスのプロレスラーでPWF会長として同団体のタイトルを管理している馳浩・日本レスリング協会副会長からも署名活動への取り組みに対して感謝の言葉をかけられ、古巣を守るべく気合いを入れた。

■元全日本王者の諏訪魔選手も全面協力へ

 メーンで闘った諏訪魔選手(本名・諏訪間幸平)もレスリングOB(中大卒=2003年世界選手権男子フリースタイル120kg級出場)。この日は船木誠勝の三冠ヘビー級選手権に挑戦し、見事にタイトルを奪取。全日本プロレスのエースの座を奪い取った。「ニュースを聞いた時はびっくりした。レスリングは自分の中で芯となるスポーツ。絶対に存続してほしい」と言う。

 神奈川では横浜デビルズJr.クラブを運営しており、将来のオリンピック選手の育成を手掛けてきた。今春には2人が高校でレスリングを続けることになっている。「子供達の夢が取り上げられるのは残念なこと。人ごとではない。協力できることは、すべて協力します」と、レスリング存続の支援を口にした。

PWF会長の馳浩・日本協会副会長と大和ヒロシ選手

メーンで全日本プロレスの看板タイトル奪取の諏訪魔選手