2025.09.01NEW

【2025年世界選手権・展望(5)】新旧ロシアの2強に髙橋海大(日体大)が挑む…男子フリースタイル74kg級

《試合日》9月14日(日)・15日(月)/クロアチア・ザグレブ


男子フリースタイル70g級・予想シード順

(注)最終エントリーによって確定します。下記と変わる場合があります。

[1]チェルメン・バリエフ(アルバニア)
[8]フェン・ル(中国)
[5]ムラド・クラマゴメドフ(ハンガリー)
[4]オロゾベク・トクトマンベトフ(キルギス)

[3]ユネス・エマミチョウグエイ(イラン)
[6]ギオルギ・エルバキーゼ(ジョージア)
[7]マゴメドラスル・アスルエフ(バーレーン)
[2]タジムラズ・サルカザノフ(スロバキア)


男子フリースタイル70kg級・展望

 昨年のパリ・オリンピックのメダリストで唯一出場するチェルメン・バリエフ(アルバニア=元ロシア)と、予備エントリーはされていないが、ロシアからの情報で世界選手権代表となった2021年東京オリンピック優勝のザウルベク・シダコフ(UWW=ロシア)が抜け出ている状況と言える。

 両者は今年の欧州選手権の決勝で対戦し、バリエフが勝利。この大会を含めて今年の4つの国際大会すべてで優勝しており勢いがある。シダコフはバリエフとの試合でひざを負傷。その後のロシア選手権を欠場して回復に努め、同優勝選手とのプレーオフでロシア代表を勝ち取った。東京オリンピック以外でも2018・19・23年世界選手権で優勝しており世界大会は無敗。体調が万全なら勝負の行方はまったく分からない。シダコフはノーシードなので、初戦激突もあるが、決勝で闘ってほしい対戦である。

▲東京オリンピック王者のザウルベク・シダコフ(ロシア)。パリ大会に出場できなかったうっぷんを晴らすか=写真は2023年世界選手権

 両者の牙城に迫る候補は、昨年のU23世界選手権を制した髙橋海大(日体大)、2023年アジア大会優勝でパリ7位のユネス・エマミチョウグエイ(イラン)、欧州選手権3位のタイムラス・サルカザノフ(スロバキア=元ロシア)か。

 髙橋は昨年のシニア・アジア選手権とU23世界選手権を制して一気に世界へ飛躍。その後の世界選手権79kg級で負傷してブランクを余儀なくされたが、7月のランキング大会第4戦(ハンガリー)で、米国代表のデービッド・カー(米国)タイムラス・サルカザノフ(スロバキア=前述)を破って優勝し、健在ぶりを世界にアピール。マークされる存在であることは間違いない。

 エマミチョウグエイは、アジア選手権70kg級優勝で階級を上げてきたアミール・ヤズダニとの代表争いに勝ってのイラン代表。ハイレベルの代表争いを勝ち抜いてきた実力が発揮されるか。サルカザノフは、パリでは10位に終わったが、2022年世界選手権2位や2024年欧州選手権優勝の実績を持つ。今年1月の「ザグレブ・オープン」(クロアチア)で優勝しており、優勝戦線に浮上する可能性は十分。

▲イランの代表決定戦となった5月の「モンゴル・オープン」決勝。ユネス・エマミチョウグエイ(青)がアミール・ヤズダニを破って代表へ=UWWサイトより

 2019年世界ジュニア(現U20)世界選手権優勝のデービッド・カー(米国=前述)は、初のシニア世界選手権。世界選手権に限れば2007年からロシアと米国で優勝を分け合ってきた階級だけに、米国代表の意地を見せたいところ。


男子フリースタイル70kg級・予備エントリー選手

《日本代表》髙橋海大(日本)
Chermen VALIEV(アルバニア)=2024年パリ・オリンピック3位/2025年欧州選手権
Aghanazar NOVRUZOV(アゼルバイジャン)=2025年欧州選手権3位
Tajmuraz SALKAZANOV(スロバキア)=2025年欧州選手権3位
Imam GANISHOV(UWW=ロシア)=2024年欧州選手権3位
 →ロシアからの情報では、Zaurbek, SIDAKOVが出場へ
Orozobek TOKTOMAMBETOV(キルギス)=2025年アジア選手権2位
Magomedrasul ASLUEV(バーレーン)=2025年アジア選手権3位
Yones Emamichoughuei(イラン)=2023年アジア大会優勝
Saad BOUGUERRA(アルジェリア)
Hrayr ALIKHANYAN(アルメニア)
Ibragim VELIEV(ベルギー)
Renato DA SILVA(ブラジル)
Ramazan RAMAZANOV(ブルガリア)
Adam THOMSON(カナダ)
Feng LU(中国)
Norvil BUKASA(コンゴ民主共和国)
Vedran LUKETIN(クロアチア)
Mohammad MOTTAGHINIA(スペイン)
Giorgi ELBAKIDZE(ジョージア)
Murad KURAMAGOMEDOV(ハンガリー)
JAIDEEP(インド)
Luca FINIZIO(イタリア)
Alibek ABDIKASSYMOV(カザフスタン)
Daegil HAN(韓国)
Egzon XHONI(コソボ)
Ion MARCU(モルドバ)
Cristian SANTIAGO(メキシコ)
Tugsjargal ERDENEBAT(モンゴル)
Rasul SHAPIEV(マケドニア)
Kamil RYBICKI(ポーランド)
Ok Chol HAN(北朝鮮)
Fazli ERYILMAZ(トルコ)
Ivan KUSYAK(ウクライナ)
David CARR(米国)
Mirzo KHAYITOV(ウズベキスタン)
Anthony MONTERO(ベネズエラ)