ロシア・レスリング連盟は7月13日、公式サイトで今月21日(月)にハンガリー・ブダペストで、同国で行われているプロ・リーグ(PWL)-9として、ロシアと米国による対抗戦を行うことを発表した。
この春、「平和のための闘い」をスローガンに、レスリング界屈指の2大国によるレスリング対決を実現するための組織委員会が設立され、このほど実施される。対抗戦は3回予定され、第1回の今回は中立国のハンガリーで実施。残る2試合は後日(時期は未発表)、ロシアと米国で実施される。
2021年東京オリンピック・男子フリースタイル97kg級決勝を争い、両チームの主将的な立場にあるアブデュラシド・サデュラエフ(ロシア)とカイル・スナイダー(米国)は、9月の世界選手権(クロアチア)に備えて今回の対抗戦には不出場だが、この対抗戦に期待するコメントを出した。
■アブデュラシド・サデュラエフ「非常に興味深い対抗戦です。初戦には若い選手たちの闘いになりますが、世界選手権後に開催される次の対抗戦では、間違いなくともにベストメンバーでの試合になるでしょう」
■カイル・スナイダー「私は2月にカザフスタンで開催されたPWLの試合に出場しました(関連記事)。これはトップレベルの対戦を組織する最高のリーグです。すべてが最高レベルで行われると確信しています」
米国のトランプ大統領がロシアに対し、ウクライナ紛争の停戦で合意が得られなければ、ロシアに「非常に厳しい関税」を課すと表明するなど、両国間は緊張を増しているが、レスリング界で両国は友好国。2013年に国際オリンピック委員会(IOC)理事会がオリンピックからレスリングの除外を決めたとき、これを阻止するため団結。ニューヨークで対抗戦を実施してレスリングの魅力をアピールするなど共に闘い、勝利を収めた。
ロシア協会ホームページによると、2021年東京オリンピックのサデュラエフとスナイダーの決勝は、バスケットボール決勝の放映時間を変更してゴールデンタイムで放映されたという。両国にとって、レスリングはプロとして成立するメジャースポーツになっており、両国の対戦は大きな関心を呼びそう。
ロシアレスリング連盟のミハイル・マミアシビリ会長は「『平和のための戦い』というスローガンを掲げるこの対戦は、世界中のレスリング・ファンの大きな関心を集めるでしょう。ブダペストでどちらが勝利するかにかかわらず、私たちのスポーツにとって大きな勝利となると確信しています」とコメントした。