2025.07.10

U15アジア選手権(キルギス)出場の男子フリースタイル・チームが帰国

(取材・撮影=矢吹建夫)

 キルギス・ビシュケクで行われた2025年U15アジア選手権に出場した男子フリースタイル・チームが7月9日、成田空港に帰国した。「金1・銀3・銅5」を獲得。前年の6階級制覇には及ばず、国別対抗得点も6階級制覇のインドの後塵を拝して2位だった。

▲キルギスから帰国した男子フリースタイル・チーム

 伊東克佳監督(東京・グロリア)は「去年は日本が6階級で優勝して、ぶっちぎり成績。今年はインドがぶっち切りで国別対抗得点を制し、日本は総合2位。勝てる選手に勝たせてあげられなかったことが、監督としての反省です」と振り返る。

 前半を6ー0で勝っていて第2ピリオドで逆転フォール負けしたり、8ー4で勝っているのに、ラスト30秒で逆転負けなどが決勝であったという。決勝で敗れた試合は、すべて逆転負け。「そこを勝たせてあげられなかったのが、本当に悔しい」と話した。

▲成田空港での最後のミーティング

 昨年まで遠征前の合同練習はなかったが、今年は6月の初めに育英大学で1泊2日だが強化練習会をやって臨んだ大会。「意味はあった練習会だった」と言う一方、後半追い上げられたり逆転されるのは「練習不足以外の何ものでもない」とも話す。研究されていることも感じ、それを上回る対策の必要性も口にした。

 「頭突きをやってきました」「指をつかまれました」と言ってきた選手がいたそうだが、「そんなの、海外では当たりまえだよ」と伝えたと言う。2度、3度と経験して外国選手のラフファイトへの対応ができれば、「結果は変わってくると思います」と話し、今後に期待した。


金銀メダル獲得選手の声

 ■57kg級優勝・久保颯大(東京・グロリア)「自分から攻められたことと、びびらないででタックルをできたことがよかったです。決勝のインド戦は、6ー0でリードしているときに少し下がってしまい、接戦になってしまいましたが、最後は『絶対勝ち切ってやる』という気持ちになり、優勝できたので、そこはよかったと思います。

 次はもうU17なので、まずは来年のJOC杯でしっかり優勝し、世界選手権に出てU17の世界チャンピオンを狙いたい」

▲伊東克佳監督と教え子の久保颯大

▲金銀メダル獲得選手。左から41kg級2位・廣里瑚朱、48kg級2位・ガレダギ愛千、57kg級優勝・久保颯大、75kg級2位・萩野貴大(三重・INABEアカデミー)

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 ■41kg級2位・廣里瑚朱(和歌山・新宮ジュニア)「決勝でリードしていたのに、最後逆転されて負けてしまいました。ただ、初めての国際大会でメダルを取れたので、いい経験になったのはよかったです。

 自分のタックルや持ち技を、海外の選手を相手に決められたことはよかった。反省点は、ラスト数秒とかで点数を取られてしまったり、グラウンドで返されたりしてしまったことです。将来の目標はオリンピックで優勝することです」

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 ■48kg級2位・ガレダギ愛千(東京・イランクラブ)「やり切れなかったところ、取り切れなかったところが、ちょっと目立った大会でした。決勝以外は全部テクニカルスペリオリティで試合を終わらせることができたのはよかったです。ポイントを取ると油断してしまって失点したり、決勝はフォールされてしまったので、そこが反省点です。

 早生まれなので来年もU15に出られる。今度はしっかり金メダルを取りたいと思います。シニアになっての目標は、もちろんオリンピック優勝です」

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 ■75kg級2位・萩野貴大(三重・INABEアカデミー)「最後、1秒が足りなくて負けてしまいました。すごい悔しい。ただ、初めての国際大会で決勝まで行って、銀メダルを取れたのはよかったです。決勝は、0-7から11ー11になって、結果はタイムアウトでしたけど、あきらめずにポイントを返せていけたことはよかったと思います。

 悪かったところは、第1ピリオドが空回りしたこと。次は焦らずしっかりと自分のレスリングを最初から出していけたらなと思いました。将来の目標はオリンピック優勝です。直近の目標としては、(11月の)全中選抜で優勝し、来年のU17予選会も勝って世界選手権に行き、優勝することです」。