2025.07.08NEW

U15アジア選手権(キルギス)出場の男子グレコローマン・チームが帰国

 キルギス・ビシュケクで行われた2025年U15アジア選手権に出場した男子グレコローマン・チームが7月7日、羽田空港に帰国した。日本はこのスタイルに初参加で、「銅メダル2個」を取った。

▲キルギスから帰国した男子グレコローマン・チーム

 吉岡治監督(京都・丹後緑風高教)は、グレコローマンの選手を派遣するために時間をかけて苦労してくれた指導者ら関係者に対する感謝の言葉を述べたあと、「去年、視察に行った人の感想では実力差がありそうで、U17 の外国選手との実力差を考えると、やられることも覚悟していた」と、初陣ならではの不安があったことを打ち明けた。

 終わってみると、スタンド戦は予想以上の闘いを見せてくれたそうだが、「グラウンド防御でフィジカル面の差を感じた」と言う。ただ、遠征前から笹本睦チームリーダー(日本オリンピック委員会)が体を張って練習相手となり、指導してくれたそうで、現地ではキルギス選手と練習する機会もあり、選手にとっては「プラスの多い遠征になった」と振り返った。

 「メダルを取れたことは大きな収穫」と話す一方、「第1回ということを意識させすぎたかもしれない。選手は硬くなっていた」という反省点も。“最初”という呪縛が取れる来年に期待した。

▲羽田空港での最後のミーティング

 山中悟コーチ(全国中学生連盟)は、U15グレコローマン・スタートの企画段階から携わった一人で、「やっとスタートに立てた」と感慨深いものがあった様子。吉岡監督と同じく厳しい闘いを覚悟していたが、感想も「スタンド戦は十分に通じる、グラウンドの差があった」と同様の内容。

 パシビティを取られてグラウンドの防御を強いられると、一気にやられる展開が多かったと言う。技術の差よりもフィジカルの差だそうで、欧州の選手ならリフトをしてくるかもしれないが、アジア選手はローリング。このあたりの差をどう埋めるかが、2年後、3年後の成績につながると課題を挙げた。「各クラブが課題に取り組んで、グレコローマンの活性化につながってほしい」と望んだ。


 ■48kg級3位・長谷川蓮(四日市ジュニア)「小学校5年生くらいからグレコローマンの練習をやっていました。今まで努力してきたことが今回の大会の結果につながったと思います。ただ、(3位決定戦は不戦勝で)インドの選手に負けて、そのあと試合をせずに銅メダルということに心残りがあります。スタンドの弱さと、レベルを甘く考えていた面がありました。足腰をしっかり鍛え、U17、U20に進んで、グレコローマンでメダルを取れるように頑張りたい」

 ■62kg級3位・大山塁児(佐賀・鳥栖クラブ)「素直にうれしいですけど、悔しい部分もあります。初戦の黒星(0-2)は、スタンドで絶対に取ってやろう、という気持ちが足りず、勝負するべきところで勝負できなかったためだと思います。敗者復活戦は、その反省から勝負をかけ、得意技の反り投げを出すことができました。3位決定戦は、絶対に取ってやるという気持ちを持ち、グラウンド2回返せてよかったです。次は全中選抜(11月)で優勝し、周囲から応援される選手になることが目標です」

▲銅メダル獲得の長谷川蓮(左)と大山塁児