ロシア・レスリング連盟(RWF)は、2004年アテネ・オリンピック王者で現在はロシアの男子フリースタイル・チームのハジムラト・ガチャロフ・ヘッドコーチが国際検査機関(ITA)からドーピング違反を指摘されたことに関連して(関連記事)、公式声明を発表した。
世界レスリング連盟(UWW)のアンチ・ドーピング規則と世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の規程にでは、暫定的であっても資格停止処分はあらゆるスポーツ活動への参加が禁止されているため、同コーチをヘッドコーチの職から外すものの、本人とともに無実を求めて闘うという。
陽性と判定された2015年5月10日のロシア選手権で採取されたガチャロフ・コーチの検体は、モスクワ・アンチ・ドーピング研究所(RUSADA)が採取したもの。RUSADAはドーピング検査に関して数多くの不祥事を起こし、WADAは国際ルールを順守していないとして2019年に資格を剥奪。同コーチの検体も含めてすべてがWADAに移管された。
ロシア連盟は、RUSADAの責任者が2016年に米国へ逃亡するなど、その頃のRUSADAは混乱を極めており、ガチャロフ・コーチの検体に何らかの操作が行われたと主張している。
同連盟のミハイル・マミアシビリ会長は「私個人、そして連盟の全メンバーは、ハジムラト・ガチャロフ・コーチがクリーンな選手であることに何の疑いも持っていません。我々は彼を一時的に監督の職から外す決定をしましたが、彼の名誉を疑う者は誰もおらず、誤解が解消されることを確信しています」とコメントした。