オリンピック専門サイト「inside the games」は5月20日、ロシアの男子フリースタイルのハジムラト・ガチャロフ・ヘッドコーチが選手時代だった2015年ロシア選手権で採取した検体から禁止薬物が認められ、国際検査機関(ITA)が暫定的な資格停止処分を科したことを報じた。2025年5月5日から発効される。
国際アンチドーピング機構(WADA)は現在、ドーピング検査の検体を10年間保存。そのときは検出されなかった禁止薬物を最新の技術によって調べ、ドーピング違反の摘発に力を入れている。同選手が優勝した10年前の検体にドーピング違反が認められたという。
アンチ・ドーピングの規則違反は、その成績が取り消されるとともに、コーチやトレーナーとしての指導を含めての活動が禁止される。
ロシア協会は、当時、モスクワ研究所を率いていた担当者が2016年に米国に逃亡するなど混乱があり、「特定の操作の結果」として陽性反応になったと指摘。暗に正しい判定ではないことを主張しているという。国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴が予想される。
同コーチは2004年アテネ・オリンピックの男子フリースタイル96kg級で勝ったほか、世界選手権で6度優勝(96kg級5度、125kg級1度)。2016年を最後に選手生活を退き、2022年11月にロシア・男子フリースタイルのヘッドコーチに就任した。