オリンピック専門サイト「Inside the Games」は4月15日、ロシア・レスリング連盟のミハイル・マミアシビリ会長(世界レスリング連盟=UWW=副会長)が2025年欧州選手権の表彰式中に行った暴挙(関連記事)に対し、アルバニア・オリンピック委員会のフィデル・ユリ会長が、この行為が「非常に醜悪」なものであることを強調し、アルバニア外務省に対し、外交団全体と欧州および世界のすべての国際機関にこの事件への対応策を講じるよう通達したことを報じた。
ただ、アルバニア・レスリング連盟のサヒト・プリズレニ会長は、マミアシビリ会長と友人関係にあり、公に反応する可能性は低いと示唆。UWW関係者の一人が「マミアシビリ選手はUWWの副会長を務めており、UWWのネナド・ラロビッチ会長と非常に近い関係。UWWが行動を起こすのは『非常に困難』と考えている」とのコメントも報じている。
一方、ワリエフの生まれ故郷のロシア・北オセチア州議会の議員で、男子フリースタイル68kg級でオリンピックV2(1988年ソウル・1992年バルセロナ)を達成したアルセン・ファザエフ氏は、「ワリエフがロシア代表チームを離脱したのは、国際大会でトップレスラーとして活躍したいからであり、理解できる理由。短い選手生活の中で最高の結果を出したいというアスリートの気持ちの表れ。多くのレスラーが同様の決断を下してきた。彼ら一人ひとりを裏切り者とみなすべきかどうか」と、マミアシビリ会長が言い放ったという「裏切り者」という言葉に疑問を呈したことも報じている。
同氏はマミアシビリ会長と話し合ったそうで、マミアシビリ会長は「オセチアのレスリング界を怒らせるつもりはない」と話し、この状況についてより詳細に話し合うことで合意したという。
この問題を大きく扱っているコソボのメディアは、UWWと国際オリンピック委員会(IOC)に公式見解を求めて質問し、現在、回答を待っていると報じた。
マミアシビリ会長は2016年リオデジャネイロ・オリンピックでも、女子63kg級の3位決定戦で敗れたロシアのモニカ・ミチャリクを殴打。このときは酒を飲んでいたそうで、後日、同選手に謝罪した過去がある。