国際オリンピック委員会(IOC)は4月9日、スイス・ローザンヌで理事会を開催。2028年ロサンゼルス・オリンピックで実施される競技の種目数や選手数を決め、レスリングは3スタイルとも2024年パリ大会と同じ階級、同じ選手数で行われることが決まった。
男女同選手数というIOCの理念のもと、女子の割合が少ないレスリングの実施階級・選手数が懸念されたが、ロサンゼルス大会では各スタイルともパリ大会と同じ下記の6階級が実施される。選手数は各スタイル96選手なので、各階級16選手となる見込み。パリ大会とすべて同じになった。
男子フリースタイル=57・65・74・86・97・125kg級
男子グレコローマン=60・67・77・87・97・130kg級
女子=50・53・57・62・68・76kg級
パリ大会と同じで、体操(新体操)と水泳(アーティスティックスイミング)で女子が上回っている分、レスリング男子に枠が回された形となった。
ロサンゼルス大会の追加競技(野球・ソフトボール、フラッグフットボール、クリケット、ラクロス、スカッシュ)を除いた総選手数は10,500人(男子5,167人、女子5,333人)。初めて女子の選手数が上回る。追加競技を含めると、11,198人(男子5,543人、女子5,655人)で、やはり女子の方が多い。
男子の方が多い競技はレスリングと野球・ソフトボールの2競技。女子の方い競技は、水泳、サッカー、体操。女子率33.3%のレスリングは、同38.5%の野球・ソフトボール(男子144選手・女子90選手)を下回り、2大会連続で最も低い割合となった。《全競技の実施種目・選手数》
【男子の方が多い競技】
■レスリング=男子192選手、女子96選手(実施種目は男子12・女子6)
■野球・ソフトボール=男子144選手、女子90選手(チーム数はともに6チーム)
【女子の方が多い競技】
■水泳=男子637選手、女子733選手(実施種目は男子26、女子28)
■サッカー=男子216選手、女子288選手(チーム数は男子12、女子16)
■体操=男子112選手、女子206選手(実施種目はともに9)
ロサンゼルス・オリンピックは2028年7月14日~7月30日に実施される。各競技の日程はこれから発表されるが、レスリング会場は市の中心部にあるコンベンションセンターで、フェンシング、柔道、卓球、テコンドーも同所での実施が予定されている。
今年3月の会長選挙で、競泳女子のオリンピック金メダリスト、カースティ・コベントリー氏(ジンバブエ)が当選し、6月にトーマス・バッハ会長と交代する予定。同会長にとっての初の夏季オリンピックは、男女同選手数を超えて女子選手の参加推進の姿勢が鮮明となった。2032年ブリスベーン大会へ向けて、レスリングの男女差がどうなっていくかも注視される。