(文・撮影=布施鋼治)
オリンピックで3大会連続金メダルを獲得した吉田沙保里さん大の格闘技好き。激闘を繰り広げた村田夏南子のMMAデビュー戦も観戦すれば、かつて“魔裟斗二世”どして一世を風靡したキックボクサーのHIROYAのために“格闘技の聖地”後楽園ホールを訪れるなど、会場で観戦する姿をよく見かける。
最近ではプロボクシングのスーパーバンタム級世界4団体統一王者・井上尚弥とのツーショットをSNSに上げ話題を呼んだ。井上とはトレーニングや減量の方法について意見を交換したという。数日前には、来年にも井上との夢の対決が期待されているWBC世界バンタム級王者で同じ三重県出身の中谷潤人と食事会をしたこともSNSにアップしている。
3月4日、K-1の3階級制覇を成し遂げた武尊(たける)が都内で行った公開練習にゲストとして姿を見せ、集まった多くの記者団を湧かせた。同選手は来る3月23日にさいたまスーパーアリーナで行なわれるキックボクシングの「ONE Championship172 」でロッタン・ジットムアンノン(タイ)と激突する。
一番盛り上がったのは、吉田がミットを持ち武尊のパンチを受けた場面だろう。衝撃を受けるたびに、吉田は「キャ~ッ」と絶叫していたが、そんな声とは裏腹にしっかりと受け切っていた。武尊は「(普段の)2~3割ですよ」と打ち明ける一方で、「キャ~!、と言っているけど体幹がすごすぎ」と、いまだ強靱な吉田の肉体に驚きの声をあげていた。
ロッタン戦での必勝を祈願して、吉田は武尊に贈ったバックに「最後は気持ち」という言葉を記した。このメッセージについて吉田は「私も、練習を十分に積んで闘いに行ってましたけど、マットに上がった時は、強い気持ちを持っていないとダメ。ちょっとでもネガティブな気持ちになってしまうと負けてしまう」と答えた。「ここまで来たんだから、自分の持っているものを全部出し切ってほしい」
吉田のアドバイスを受け、武尊は「吉田さんは霊長類最強の女性なので、僕は世界最強の男になれるよう頑張ります」と、あらためて決意を口にした。決戦当日は吉田もリングサイドで武尊を応援する予定だ。