1月30日の全日本チーム合宿で、参加した男子2選手が報道陣のインタビューに応じた。男子フリースタイル97kg級の吉田アラシ(日大)と男子グレコローマン97kg級の仲里優力(佐賀県スポーツ協会)のインタビューは下記の通り。
--新体制になって最初の全日本合宿ですが、今回の成果や感想をお願いします。
吉田 すぐに学生選抜チームの遠征(ブルガリア)とランキング大会の遠征を控えています。追い込むというより、自分のレスリングの確認を中心にやりました。
仲里 新体制で新しいメンバーが集まり、だれもが新しい気持ちでやっていることを感じました。自分は、合宿前から分かっていたことですが、今回はけがのためマットには上がれない状況なんです。無理せず、けがを治しながら、できることをやりたい。次に出場する大会はアジア選手権(3月25日~30日、ヨルダン)なので、そこで成績を残すことを意識してやっています。
--新体制での練習は、明るい雰囲気の中でも激しい練習をやっていたように感じました。
吉田 明るい雰囲気ということは感じます。参加選手も多く、激しいスパーリングもできたと思います。
仲里 強化本部長、副本部長を含めてコーチ陣ががらりと変わり、ロンドン(オリンピック)世代の方が多くなっています。ボクが言うのもおかしいかもしれませんが、若い世代のコーチが入ったことで明るいチームとなり、熱い練習につながっていると思います。
--井上謙二強化本部長が「パリの成績を超える」と言っています。そのためには、重量級の奮起が必要だと思います。どうやって期待にこたえようとしていますか?
吉田 そう考えてしまうとプレッシャーになってしまうと思うので、あまり考えず、自分のできることを精いっぱいやっていきたい。(期待に対する)感謝の気持ちはありますが、あまり思い詰めずにやっていきたいと思います。
仲里 重量級のボクとアラシ君がオリンピックに出ることは、日本のレスリング界にとって極めて重要なことだと感じます。ボクは、それをプレッシャーにせず、試合のときは楽しんでやろう、と努めています。重量級がオリンピックに出ることで、日本のレスリング界に新しいものを残したい。
--最終予選で負けてパリへの道を閉ざされた悔しさは、もう切り替えられましたでしょうか、それとも今もしっかり胸に残っていますでしょうか?
吉田 悔しさはありますが、引きずっていても意味ない。ただ、試合で分かった反省点は今に持ってきています。
仲里 ボクは、悔しさはさほどなかったです。アジア予選も世界予選も、けっこう闘えることが分かりました。世界予選で負けたとき、悔しさより、まだ自分には伸びしろがある、と思い、自分の今後に向けてのワクワク感がありました。確かに、オリンピックに行けなかったことの悔しさはありますが、その気持ちを残しつつ、上を目指したいという気持ちで練習を続けています。
--報道陣からの選手インタビューのリクエストは、これまで軽量級選手がほとんどでした。重量級の2人に要請があったことについては?
吉田 珍しい、と言うか…(笑)。2人で「なんでだろうね」と話していたんです。
仲里 オリンピックで金メダルを8個も取りましたが、軽中量級の活躍です。86kg級に隼士(石黒=自衛隊)が行きましたが、メダルは取れなかった。重量級が注目されればうれしいので、頑張りたいと思います。