2025.02.05

【2024年関東高校選抜大会・特集】125kg級でも地力を発揮して優勝、世界への飛躍を目指す…リボウィッツ和青(東京・自由ヶ丘学園)

 中学時代に圧倒的な強さで全国王者に輝き、昨年はインターハイと国民スポーツ大会を制して階級を上げたリボウィッツ和青(のあ=東京・自由ヶ丘学園)が、2024年度関東高校選抜大会の個人対抗戦125kg級でも、決勝も1分かからない圧勝で勝ち抜き、新階級での全国高校選抜大会出場を決めた。

▲2025年最初の大会を順調に勝ち抜いたリボウィッツ和青

 リボウィッツは「今まで練習してきたことを出せてよかった」と喜びを話すものの、「最近、自分の思うような結果が出せずに苦しい時期が続いてきた。この大会も満足できる内容ではない」と、達成感はあまりない様子。準決勝で阿部天臥(栃木・足利大附)に自滅ながら4点を取られたことや、前日の学校対抗戦でも阿部と花咲徳栄の横山慎志にそれぞれ2点を取られており、無失点の試合が続けられなかったことに不満が残ったようだ。

 4失点は相手のタックルを受けて切ろうとしたときに迷いが生じ、一気に取られた。「ポイントを取られたことをしっかりと振り返り、今後の課題として取り組みたい」と話した。

▲テークダウンを取ったら、すぐにグラウンド攻撃。決勝は0分54秒の快勝だった

 「最近、自分の思うような結果が出せない」は、ちょっと疑問が出てくる言葉。負傷を乗り越えた昨年は、インターハイと国民スポーツ大会を順調に制したのだから。これは初出場した昨年12月の全日本選手権で、1点も取れない2連敗だったことを指していた。

 石黒峻士(MTX GOLDKIDS)二ノ宮寛斗(不二精機)という全日本のトップ選手が相手なら、経験として考えれば十分だろうが、「昨年は全日本選手権で勝つことを目指してやってきました。インターハイや国民スポーツ大会で勝てても、全日本ではまだまだでした」という現実を知り、不満が残った1年だったという。それは、意識の高さでもある。

4月に甫木元起(日体大)へのリベンジ戦が実現するか

 当然、125kg級に上げた今年も高校生の大会では「勝つのが当たりまえ」の気持ちで臨む腹積もり。4月のJOCジュニアオリンピックカップはU20のカテゴリーになるので、大学選手との闘いもある。全日本で勝つ前の段階として、ここで勝っておくことも必要。97kg級での出場となれば(注=高体連の大会は92kg級の上は125kg級)、高校に進学した年(2023年)に大きな壁となった甫木元起(日体大=当時佐賀・鳥栖工)との闘いもありうる。

 甫木は1年生で大学王者に輝き、全日本選手権でも3位に入賞するなど、大学へ進んだあとも力をつけている。「手足が長く、レスリングもうまい」という選手だそうだが、「それを上回るレスリングで、必ず勝って、世界へ出て優勝したい」とリベンジを目指す。

▲2023年インターハイ準々決勝で甫木元起にテクニカルスペリオリティ負けのリボウィッツ和青(青)。世界への飛躍のためには、絶対に乗り越えなければならない相手だ

 学校対抗戦で優勝できなかったことも「めちゃめちゃ悔しいです」と振り返る。八隅士和(昨年、3つの全国大会とJOC杯U20で優勝)というエースが抜けて厳しい状況になっているのは確かだが、「チーム力と努力と根性で勝つのが学校対抗戦。今回はそれができなかった。次は頑張りたい」と力を込めた。