※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
全日本チーム、学生選選手、高校選抜選手によるNTS(ナショナル・トレーニング・システム)中央研修会が2月20日、約70選手が参加して東京・味の素トレーニングセンターでスタートした。(右写真)
佐藤満強化委員長(専大教)は「ジュニアだけの合宿は2001年から実施しており、シニア、学生、高校生の合同合宿は5回目になり、成果を挙げている」と、数多くの選手がこの合宿を経験して世界に飛び出している事実を挙げ、「世界を目指すための合宿であることを理解してほしい」と話した。
レスリングの2020年五輪からの除外が懸念される中での合宿となったが、佐藤委員長は「歴史のあるレスリングにプライドを持ってほしい。2020年大会に必ず実施されると信じ、夢を持ち、2016年オリンピック、2020年オリンピックでの金メダルを目指し、有意義な合宿にしてほしい」と注文した。
高校生の責任者の大澤友博ジュニア担当コーチ(茨城・霞ヶ浦高教)は「シニアの選手は、高校選手が行動をつぶさに見ていることを意識してほしい。見本となる行動を望みます」と要望した。
同監督はレスリングが除外勧告を受けたニュースを聞いた時には「信じられない」と思ったそうだ。キッズ選手の親を含めて多くの人から「どうなるのか」という電話があり、翌日の朝は大学進学を控えて高校生活最後の練習に励んでいる3年生選手が朝練習に出てこなかったなど、選手の動揺も「すごかった」と振り返る。
約70人が6面マットで汗を流した
指導者の中には、「オリンピックでなくなっても世界選手権がある」と言う人もいるそうだが、「私はオリンピックからははずれないと信じています」と話し、前を向いて練習に取り組むことを強調した。
2年連続高校グレコローマン王者の文田健一郎(山梨・韮崎工高2年)は「2020年が目標だっただけに、ニュースを聞いた時は落ち込み、翌日の練習はモチベーションが上がりませんでした」と言う。監督でもある父・敏郎さんからは「2016年を目指せ」と言われ、目標を早めてやっと気持ちが戻ってきたところだそうで、「まだ2020年から外れることが決まったわけではない。2016年を目指し、2020年で復活すると信じて頑張ります。落ち込む時ではない」と、気持ち強く持って汗を流していた。
合宿は24日までの4泊5日間、行われる。
![]() 清水聖志人コーチによるフリースタイルの指導 |
![]() 松本慎吾コーチによるグレコローマンの指導 |
![]() ロンドン五輪代表の長谷川恒平選手に挑む文田健一郎 |
![]() 指導する大澤友博ジュニア担当コーチ |